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『マザー・マーダー』本日発売です

本日、矢樹純の初の単行本となるミステリ連作短編集『マザー・マーダー』が光文社から発売されます。

こちらは光文社の電子ミステリー雑誌『ジャーロ』で2021年1月から隔月連載させていただいた全5編をまとめたものです。

1話目は迷惑な隣人に追い詰められていく若い母親のお話。2話目は疎遠になっていた娘から離婚した元夫のことで助けを求められる中年女性のお話と、それぞれが独立した短編ミステリーでありながら、全てのお話に《ある母子》が絡んできます。そして最終話まで読んだ時に、これらの物語全体にまつわる大きな謎が明かされるという作りになっています。

連載時に心掛けたのは、まとめて読んだ時に5話それぞれが違った読み味になるようにしようということでした。主人公の年代も、物語のタイプも異なるので、幕の内弁当やお菓子のバラエティパックのようなお得感を感じつつ楽しんでいただけるかと思います。

物語のタイプは異なりますが、もちろん全てのお話に矢樹らしい《仕掛け》をご用意していますので、『夫の骨』で自分の作品を知ってくださった読者の方には必ず満足して、驚いていただけると思います。

最初にも書きましたが、この『マザー・マーダー』は9年前に文庫でデビューした自分にとって、初めての四六判の単行本です。となると、これまでに出版された文庫やコミックスの倍以上の代金を読者の方にお支払いいただくことになります。買ってくださった方に絶対に損をさせてはならないと気合を入れて、全ての物語に渾身のトリックを詰め込み、魂を込めて書きました。ミステリーや矢樹の小説に慣れていない方は正直、胸焼けするレベルだと思います。
ですがミステリー小説が好きな方、サスペンスや怖い話が好きな方、矢樹の小説の不穏で息が詰まる感じが好きな方には、きっと喜んでいただける作品です。

どうか多くの方に読んでいただけるようにと願っています。皆さま、よろしくお願いいたします。

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