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アフリカ・マラウイのTANAKA

こんにちはアフリカ・マラウイに住んでいるヤギです。以前「地域資源」について呟きました。

せっかくアフリカのマラウイにいるので、マラウイにある日本の資源を「掘り起こして」伝えていきたいなと思います。

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皆さんは、TANAKAさんをご存知でしょうか?

TANAKAさん(本名:田仲永和)は、2019年3月までマラウイの協力隊で活動をしていて、小学校教員養成大学(日本の短期大学のようなもの)で、算数指導法の授業を担当していました。

田仲さんは、日本で小学校教員として9年勤務して協力隊に参加をされており、「その経験を生かせれば」と当初は考えていたそうです。

しかし、現実はそう甘くない。

田仲さんが普段教えているのは大学生ですが、日本の小学生でも簡単に解いてしまうような問題を長い時間をかけた挙句、結局間違えてしまったり、概念的理解がすっぽり抜けていたりすることもしばしばだったそうです。

「小学校6年生で、かけ算なのに棒を描いて足していくので、時間がいくらあっても足りない。」「小学校7年生でかけ算九九が完璧に言える子は1割程度。」等、マラウイの小学校現場で活動している隊員たちの苦労もよく聞いていたそうです。

どうしたら算数の力を伸ばせるのか。問題解決型学習の導入か、効果的な教材の活用方法か、はたまた1クラス200人を超える児童をコントロールする学級経営力の向上か。

右往左往しながら、たどり着いたのが、「マラウイの先生にもすぐに使える、子どもがノリノリになるかけ算ソング」でした。

そして、他の隊員と実際に完成させた曲がこちらです。

歌が大好きなマラウイの子どもたちは、この歌の時間をとても楽しみにしています。

教員養成校附属小学校では、毎回私が行く度に歓声があがり、「TANAKA、早く歌おう!」とテンションが上がりすぎて、落ち着かせるのに多少時間がかかってしまうそうです。

(ここまでは以下の記事を参考にしました。)

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さて、僕は田仲さんのことが気になって「TANAKA MALAWI」でググってみました。

するとこんなサイトが見つかりました。

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なんと写真付きで紹介文が出てきました。

田仲さんのプロフィールです。

TANAKA (real name Hisakazu Tanaka) is a Japanese singer and songwriter who is currently in Malawi as a member of JICA (Japan International Corporation Agency) volunteer, working as a lecturer (Mathematics & Expressive Arts) at Lilongwe TTC. Together with Lilongwe TTC students and Kho Gomzy (music Producer), TANAKA is producing very unique songs. ‘Jump Rope’ is the first single from TANAKA. The song intends to promote Jump Rope activity (which contains a lot of advanced skills) all over Malawi which is good for keeping health and physical fitness.

リロングウェの小学校教員養成校で教員として働く、日本人のシンガーソングライターとして紹介されています。

そして驚いたことに「掛け算ソング」がデビュー曲ではなかったです。

ちなみにこちらがデビュー曲の’Jump Rope’です。(サムネイルのインパクト強すぎです。)

この歌は、歌詞が’TOBBOYO MINNADE YAREBA DEKIRU(跳ぼうよみんなで、やればできる〜)’から始まります。

そして、ドローンを使ってPVが撮影されています。すごくPVのクオリティが高いです。

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個人的に田仲さんが素敵だなと思うポイントは。

・子ども達の教育につながっていること

歌詞には、必ず子ども達の成長にとって重要なメッセージが込められています。例えば、Jump Ropeには、縄跳びを通じてマラウイの子ども達に健康とフィットネスの大切さをメッセージとしています。

掛け算ソングも一緒で、歌が大好きなマラウイの子どもたちは、この歌を歌っている時には、算数をやっている意識はありません。あくまでも歌を歌っているという意識です。

そして、「掛け算ソング」は知らず知らずのうちに子ども達の記憶に刷り込まれ、パッと掛け算の答えが出てきます。そして、それが子どものさらなる勉強につながります。

つまり、「算数」をエントリーポイントにするのではなく、「歌」をエントリーポイントにするので、苦手な子も(気づかぬ間に)壁を克服できるようにしています。

全ての歌にこのようなメッセージが込められているので、いいなー、と思います。

・他の隊員の活動もPRしているということ

TANAKAさんのPVには、他の隊員の活動も入っています。例えばこれは、’CHILENGEDWE(Nature)’という歌のPVですが、他の隊員が作成した廃材を利用した椅子が撮影中に登場します。

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マラウイで抜群の知名度をほこる田仲さんのPVに、活動が紹介されれば、どうなるでしょうか。

隊員が嬉しいのはもちろん、隊員が活動している地域の人たちも、「あっ!この活動は〇〇がしていた活動だ!」と思いますし、自分の活動が自信が芽生えるんじゃないでしょうか。

自分だけのプロモーションだけではなく、他の隊員の活動にも影響を与えるこの音楽活動はすごいなと思います。

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田仲さんは2019年3月で帰国しましたが、その後も曲を作り続けています。

現在では11曲がリリースされています。(全ての曲は以下のサイトから聞くことができます。)

歌や踊りは世界共通に伝わるものであり、特にアフリカの人々は音楽やダンスが大好きです。なので、田仲さんのアプローチは、現地の事情にもあっていて個人的にとっても好きです。

僕が関わっているBON for AFRICAアフリカ盆踊り’も、同じ思いでやっています。

アフリカ盆踊りも、日本の盆踊りとアフリカの音楽や踊りを掛け合わせたものであり、日本×アフリカの音楽やダンスをミックスさせたら、どうなるかなと思って始めました。

せっかくマラウイにいるので、いつか、マラウイの子どもたちと一緒にTANAKAさんの歌を歌いたいと思います。

さあ、みなさんも一緒に歌ってみませんか?家でも、学校でも、どこででも!(歌詞より抜粋)

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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Twitterを中心にアフリカ(マラウイ多め)の情報発信をしています。


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