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「子どもの就学」という問題を試しに「外在化」してみました
私は現在、児童発達支援、放課後等デイの事業所で、個別療育を実施しております。
今度、私の事業所にて、親御さんを対象に、「就学」をテーマにしたオンラインサロンを開催することになりました。サロンをよりよいものにするために、色々と勉強しているわけです。
その中で、この本を取りました(写真)。
物語としてのケア ナラティブ・アプローチの世界(野口裕二 医学書院)
そこで、ナラティブ・アプローチの「外在化」を、「就学」というテーマに置き換えてみたいと思います。そこから、オンラインサロンをより良いものにしていくヒントを探ってみたいと思います。
1)ナラティブ・アプローチの「外在化」とは?
「問題」を解決しようとすると、その原因を探しますよね。
怪我や病気をしたら、その原因、要因を特定した上で治療しますよね。機械が壊れていたら、壊れた箇所を特定して修理しますよね。あれです。
これは、「問題の原因」を外在化していると、いえます。
しかし、ナラティブ・アプローチの「外在化」は、「問題」そのものを外在化するわけです。
もっといえば、
「問題」と「影響」を分離させる
「問題」がひとに影響を与えるだけでなく、ひと自体が「問題」に影響を与えている、ととらえるのです。
つまり、問題→ひとの流れもあれば、ひと→問題の流れもあるわけです。
普通、私達は何か問題に直面すると、その「問題」が私達を苦しめている、悩ませている、と考えます。そして原因を探す、つまり犯人捜しをしようとします。
しかしそれをすることで、かえって「問題」が私達を苦しませる、悩ませることがあるのです。
つまり、
「問題」をより問題化させているのは私達自身である
という考え方です。
2)「子どもの就学」という「問題」を「外在化」してみると・・・
具体例をみていきましょう。
「子どもの就学」という「問題」に直面すると、多くのご家族は、まずその直面すること自体に頭を悩ませ、心を痛めます。
「不安だなぁ」「大丈夫かなぁ」
そしてその「問題」を解決する(=就学先の決定)ために情報を集め始めます。
地域の学校、支援学校説明会に参加する、先輩ママさん、パパさんの話を聞く、など。
ではそうした情報がたくさん集まれば、本当に就学先を決められるでしょうか?
もちろん実際は何らかの結論を出さなければいけません。しかし情報を集めている時点では、
①情報がある程度集まって決められるご家族
②情報が集まったけどなかなか決められないご家族
この2パターンに別れるのではないでしょうか。
実際私がかかわったご家族の中にもおられました。
地域の小学校、支援学校の両方見学し、双方のメリットとデメリットを説明できるほど情報をまとめていても、決断となるとかなり逡巡されているご家族。子どもの一生を決めるのですから当然です。
しかし、ここで「問題」の「外在化」という観点でとらえ直してみます。
○問題がひとに影響を与えている
→「就学」という問題が、そのご家族を悩ませていること。
○ひとが問題に影響を与えている
→就学先の決定が決められないご家族自身が、「就学」という問題をさらに大きくしている。
○「問題」の原因を探すことで、「問題」をより問題化させている
→就学に関する情報を集めれば集めるほど、就学先を決められずに、悩み続けることになる。
3)「問題」を外に出すことで、ひと自身が「問題化」していることがわかる
ここではっきり申し上げたいのは、
問題の原因さがし(この場合は就学に関する情報と情報収集)や、悩み続けるご家族を否定するわけではありません。
ここで伝えたかったのは、
「就学」という一見、社会の仕組みやルールという外的な要因で悩んでいることが、実はご家族自身という内的な要因が「問題」が問題化されていくことがある
ということなんです。
ひとが「問題」に影響を与えるとは、何も「問題」が問題化していくことだけではありません。その反対も然り。つまり、「問題」を問題化せず、解消する方向に向かわせる影響もある、ということです。
つまり、
「子どもの就学」という「問題」を解消させる方向にはたらいた影響が確かにある、ということです。
それは一体何なのか?
それらを語り、共有し、1人1人がもつ「子どもの就学」という「問題」が解消する方向をみつけ、提案していくことが、今回のオンラインサロンの目的と、結論付けることができます。
4)「解決」ではなく「解消」
ここで「解決」と書かずに「解消」と表現したのには理由があります。
先にも書きましたが、「問題」を解決しようとすると、原因さがしという「問題の原因の外在化」がおこり、「問題」はより「問題化」してしまうのです。
この本には、こう書かれています。
「セラピーとは、(中略)、問題を組織化し問題を解決せずに解消するシステム problem dis-solving system である」と。
つまり、「問題」をより「問題化」するよくない循環を断ち切ることがもとめられる、ということです。
「子どもの就学」という「問題」を解決しようとするのではなく、「問題」を問題化せずに「就学先の決定」へと向かわせる要因を探していくのが、オンラインサロンでは求められる。
実際、オンラインサロンでは、とある先輩ママさんをゲストでお迎えし、お話をうかがう予定です。
先輩ママさんを「就学先の決定」へと向かわせたものは何か?を共有していきたいと思います😃
では、どうやって?
そのキーワードは「無知の姿勢」です。
次回は「無知の姿勢」について、書いていきたいと思います。
最後までお付き合いくださり、ありがとうございました😌
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