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生きてるだけで丸儲け

「生きてるだけで丸儲け」は、我が家の合言葉だ。
朝、布団の中で目覚めたら、もうそれだけでラッキー。
新しい一日を始められる。

どうやら、母方の実家に代々伝わっている家訓的なものらしく、戦中戦後をたくましく生き抜き、10人の子供を育て上げた曾祖母の代に爆発的なヒット(もちろん、身内だけの話)を放った、パワーワードであるらしい。

こういう家庭だったので、「幸せ」に対するストライクゾーンが広く、それこそ毎日の食事がおいしく食べられるだけでもう幸せだし、ことあるごとに幸せを見出す「クセ」のようなものが身についている。

「幸せ」というのは、結局のところ個人の感じ方なので、どこまで登りつめても幸せを感じられない人もいるだろうし、私のように、白米とみそ汁だけでも腹いっぱいになれば幸せ、という人もいる。

言い換えれば、幸せなんて、そんな程度の物で、自分の匙加減一つでどうにでもなる、きわめて曖昧な基準なのだ。

それでも、人は幸せを求めて、他人を貶めたり、不幸にしたりもする。
他人の不幸の上に成り立つ幸せに、一体なんの価値があると言うのだろう。

そんな浅ましい、およそ人間らしくない行動をせずとも、幸せは身近に転がってるんだよ、と私に教えてくれたのが「生きてるだけで丸儲け」という言葉なのだ。

この考え方でいくと、朝、目が覚めたらもう幸せ。
「ラッキー、今日も目覚めた!」
から一日が始まるわけで、もうそれ以上は家族の顔を見られるのも、朝食を食べられるのも、仕事に出掛けられるのも、全ての自分に起こる事柄が「幸せ」になる。

だから、例えばジュースの自販機でアタリが出たよ、なんてなれば、それはもうオーバースペックの、それこそ「望外の幸せ」になり、そうすると人は「何か他人に還元しないと」と思うようにできているので、他人に優しくすることができるのだ。

そうしたことを積み重ねてると、周囲が勝手にこちらを「いい人」扱いしてくれるようになり、すれ違えば笑顔で挨拶をしてくれるし、「休日に出掛けてきたの」なんて言いながらお土産をもらうこともある。

当然、これも「望外の幸せ」となるわけだから、挨拶もそれ以上の笑顔で返すし、お土産のお返しのために出掛けたりもできる・・・。(以降繰返し)

こうしたループが、社会全体を「幸せ」にできる、と私は固く信じている。

また、逆の場合もある。
生きていれば当然、失敗や不幸な出来事も多々起こるが、「生きてるだけで丸儲け」なので、命さえ無事ならば全然OK。

失敗はいずれ必ず取り戻せるし、よしんば取り戻せないとしても他のことで成功すれば良いだけ。不幸は生きてるからこそ感じられる感覚で、その時は辛く悲しくても、人生にとってプラスに転化できる不幸もたくさんあるので、それをどうやって知識、経験として活かしていくかの問題なだけだ。

だから、学校でちょっとからかわれたり、仕事でちょっとやらかしちゃっても、全然心配することがない。生きてさえいれば、いずれ人生はトントンに収束するようにできている。この考え方だと、どんなにマイナス食らっても、生きていればそれだけで人生はプラスなんだから。

今は、インターネットやSNSの普及により、以前とは比べ物にならないほど情報の伝達が早いし、その範囲は全世界に及ぶ。
そんな時代だからこそ、一人ひとりが「幸せ」のストライクゾーンを広げて些細なことに幸せを見出すことが大切だと、私は思う。

他人の幸せを見て、それを羨んでも自分が変わらなければ結果はついてこないし、同じことをしても幸せになれるとは限らない。インスタグラムを見ては「いいなぁ」とため息を繰り返す毎日ならば、その時間を自分の幸せを見つけるために使った方がいい(それがその人の幸せなら、それでいい。あくまで私の個人的な考え)。

今、ちょっと落ち込んでるなあ、とかやらかしちゃったなあ、とか不安な日々を過ごしている方、ぜひ、明日の朝起きたら、「今日も目覚めた、ラッキー!」って声に出して言ってみて。すぐに効果は出ないかも知れないけど、生きている間には必ず効果出るから。

そんな言葉を遺した曾祖母も、98歳の時に彼岸へ旅立ちました。
なんの肩書もない、ただの専業主婦だった曾祖母の葬儀には、300人を超すの弔問客が訪れ、家族は悲しむ暇もないくらい、てんやわんやでした。

人の生き様は葬式に現れる、なんて言いますが、「生きてるだけで丸儲け」を体現した曾祖母らしい最期だったなあ、とつくづく思います。
担当して下さった葬儀社の方が、あまりの弔問客の多さに、「故人様は議員か何かされてたんですか?」と真顔で聞いてきたので、「純粋な専業主婦ですよ」と言ったら、心底驚いてました。

私も物心ついた頃から「生きてるだけで丸儲け」で生きてるけど、おおばあちゃんの域にはなれそうもないなぁ。

まあ、それでも、それを目指すことはできるので、いつかあっちでおおばあちゃんに会ったら「おおばあちゃんのおかげで、とっても幸せな人生だった!」と胸張って言えるように、日々幸せを感じながら生きていこうと思います。

それじゃあ、今夜はこの辺で。
じゃわっとさんばばん!

#ウェルビーイングのために
#仕事のコツ

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