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お花見ついでの泥棒一家

とんでもない目に遭いました。
4/10、我が家の盆栽を盗まれかけました。
すぐに取り押さえて警察に突き出したので、物は無事に戻りました(壊れたけど)が、時間を無駄にされ、ものすごくご気分害しました。

怒り心頭なので、事の顛末を書きます。

その日、私は在宅しており、ZOOMで仕事の打ち合わせをしておりました。我が家は、外見は壁の漆喰が剝がれてたり、昔は緑だったけど今はサビだらけの茶色いフェンスだったりと、「外見はボロい」のですが、映画に出てくるような防犯システムに強い憧れを抱いている私は、自宅に多くのカメラやセンサーを仕掛けております。

その一つ、「門扉が開いたら知らせる音」が鳴りまして、郵便や宅配が来る時間でもないのにおかしいなーと思ってモニター(16分割で表示されてるやつ。かっちょいい。)を見たところ、全然知らない老夫婦二人が敷地に入ってきまして、外には30代くらいとおぼしき夫婦と母親に抱かれた乳幼児が、その様子をニヤニヤしながら見ておりました。

「何かの勧誘か?」と思ったのですが、その老夫婦は玄関ではなく、庭の方に回って行き、お天気だったので外に出していた盆栽を見ていましたが、そのうち一人一鉢ずつ盆栽を持ち、そのまま敷地から出て行ってしまったのです。

ZOOMだったので、適当な格好をしていた私は慌てて恥ずかしくない程度に服装を改め、スマホ片手に急いで玄関から外に出ると、その一家が20mほど向こうに見えたので追い掛けていき、声を掛けました。
以下、嘘のようですが、ほんとの話です。

最初はしらばっくれ、「返す」と言い張り、鉢を路上に置きましたが、置き方が悪く、一つの鉢が割れてしまいました。
若夫婦が逃げようとする素振りが見えたので、老婦の腕を取ると、若い方の男がキレ始め、怒鳴り散らしてイキりだしました。
自己紹介にも書いておりますが、私はとある格闘技でFBIアカデミーで指導したことがあるくらいの経験者なので、来るなら来いと思いつつ、そのまま捌いていると、ご近所さんが現れたので、110番をお願いしました。

今度は若い母親の方が加勢してきて、老婆から手を離させようと試みましたが、これも失敗。私は老婦を自宅付近まで移動させ、ご近所さん方が周囲を取り囲むようにして警察の到着を待っていました。

警察が到着すると、態度が急変!
老婦は「腕を掴まれて脅された」と話し、若い母親は泣き崩れ、その夫たちはそれぞれを慰めるかのように肩に手を回してポンポンしています。
まるで、自分たちは被害者で、頭のおかしい人間にいちゃもん付けられたので自分たちが警察呼びました!みたいな態度です。

現場に来た二人の警察官は、それぞれ私と泥棒一家に分けて事情聴取をし始め、手に負えないと思ったのか、無線で応援を呼んだようでした。
15分もしないうちに、パトカーと覆面車(?)が増え、制服私服の警察官が合計8人になりました。

向こうで口々に勝手なこと言ってる泥棒一家を見ながら、私は胸ポケットのスマホで撮影していた動画を警察官に見せ、「決定的な瞬間が家のカメラに映っている」と告げました。

が、そこまでの必要はなく(あとで提出しましたが)、老夫婦はパトカーに乗せられ、警察署に連行、私も事情聴取のため自分の車で向かうことに。
でも、現場に残った若夫婦が何かしでかすのが怖かったので、警察にそのことを伝え、ご近所さんにもお願いして動静を見ていてもらうようにお願いしました(杞憂に終わり、すぐに自分たちの車で警察署に来ました)。

そこから約3時間、取調室で取り調べを受け、調書を書いてもらいました。どうやら、老婦が掴まれた腕が痛いと医者を呼ぶように言い、私を暴行の加害者として訴えると言い張っているのだそうです。

まあ、それならそれで、事実は事実なので仕方ない、と思いながら、「私も前科者か・・・」と、他のやりようはなかったのか、頭の中で反省しました。

盆栽の被害届を出した時、「時価でいくらくらい?」と聞かれたので、「一つが80万円くらい、もう一つは30万円くらい」と告げると、警察官が焦り始め、「そんなにするの?」と言うので、高い方は黒松の樹齢80年(少なくても)を超えた古木で、鉢も九谷焼の由緒あるもので、曾祖父の代から受け継がれているものなのだ、と伝え、もう一つも父が50万円で購入したもので、こちらは中国のなにやら、という焼き物の鉢(割れてしまいましたが)だと聞いていましたので、最低でもこれくらいはするだろうという判断です。と説明しました。

ちなみにうちの曾祖父は、昭和天皇の侍従の方から皇居にある盆栽の世話を依頼されたこともある、業界では名の通った人でしたので、見る人が見ればもっともっと価値のあるものだとは思います。今は、祖父のお弟子さんだった方が基本的なお世話をしてくれていて、私はその指示に従い、霧吹きで水をあげたり、陽の光を当てたり、ゴミを払ったりくらいしかしません。

曾祖父の記憶は私にはありませんが、祖父や父が大切にしていたのは身近で見て知っていましたので、金額以上に、私の不注意で鉢を割ってしまう結果になったことがショックで、泣きそうでした。

私の分の調書が終わり、帰っていい、ということになった(暴行は不受理ということだそうです。)のですが、また何か聞くことが出てくるかも知れないから、基本的には家に居てくれ、ということでした。

盆栽は「証拠品」として警察署で預かる、ということになったのですが、連絡を受けて駆け付けてくれた、盆栽のお世話をお願いしている方が熱心に説得してくれて、家に持ち帰ることができました。

盆栽とは言え、生き物であり、鉢が割れた状態のままで枯らしたら、大変な損失になる、という話が効いたようでした。

なお、老夫婦二人はそのまま逮捕収監されたようです。
はっきりと聞いたわけではないですが、赤ちゃん以外、全員が窃盗の前科のある方々のようで、隣の県から花見に来ての帰り道に犯行に及んだということで、持ち物からも盗難品くさいのがいくつも見つかったらしいです。

本当は耳にしたこと全て書きたいくらいなんですが、そういう御時勢でもないので、その辺りは察して下さい。

「リアル万引家族」です。
実在するとは思いもしませんでしたが。
さらに、その被害者になり、加害者にもなりかけるとは。

そういえば、若い母親が「子供の前で警察に突き出すなんて!」みたいなこと言ってましたが、子供の前で親の犯行を止めることもしなかった人に言われる筋合いの話じゃないですよね。

思い出してたら、なんかまた腹立ってきました。
なので、この辺にしたいと思います。

柴田町~白石市に掛けての、「一目千本桜」は、今日がまさに見頃となりました。この週末は大変な人手になると思いますが、それに伴って、ゴミが散乱したり、交通事故や渋滞が多発したりと、地元の人間には良いことばかりではありません。

とは言え、せっかく来ていただけるのですから、皆さんにはぜひ、キレイな桜の風景といい思い出を胸に、気持ちよく帰っていただきたいものです。

長くなりましたが、ここまでお付き合い下さった方、ありがとうございます。

それでは今日はこのへんで。
じゃわっとさんばばん!


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