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三つ子の魂百までも(6)


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チラシにはこの様に書いた。

[お悩みの方に朗報です。あなたの悩み事をご相談ください
私達がお手伝いします。但し女性限定です。]
と先ずは女性にアピール。
[私達、探偵事務所を創設しました。昨今女性が悲しむ事件が多くなる中、私達に相談していただけるならば、きっと良い方向に解決出来ると確信しております]
と、誇張めいた表現だが、これ位は許されるであろう。
[ストーカに遭って困っている方。夫の不倫、恋人の浮気。
詐欺被害に遭われた方、ご遠慮無く私達に相談して下さい。
尚、貴女の秘密は厳守します]
と、後は住所と電話番号、代表者名を書いて置いた。

これを街で女性限定で手渡しするのだ。
後は、お客を待つだけである。
何しろ、実績が殆ど無い探偵事務所に人が集まるかどうかは、
分からないし、不安であったが待つしか無かった。
チラシは1000以上作くりそれを手渡したのだが、
女性限定にしたのは、どうだったか分からない。
男性に嫌われるかも知れないが、一か八か掛けてみた。

探偵と言う言葉の響きに僕は、子供頃から憧れをいだいていた。
探偵と聞いて思い浮かべるのは、やはりコナンだ。
次に、シャーロックホームズ。

難事件を颯爽と解決して行く姿は、子供頃からの夢であり、
現実に、僕は探偵となる事が出来た。
と言っても、まだ仕事はしたことは無く
ただ、チラシを配っただけである。
この3日間は、チラシばかり撒いていた。

そして、私が探偵事務所に勤めから初の依頼があった。

その電話、突然掛かって来た。
私が此の事務所に来て初めて聞いた電話のベルだった。
私は、電話番号は知っていたが、電話の存在には気付かなかった。
最近、置き電話は少ないしあまり必要では無い。

電話に出たのは、裕美さんだった。
裕美さんは電話の応答が上手く、聞いていて安心できる話し方であった。

来店した女性は40代始めの方で、少し化粧が強かった。
見た目は、セレブな女性である。

出迎えたのは、代表でお互いの自己紹介のあと、本題の相談に入った。二人はいつものソファーに対面する形で腰を下ろした。
僕は、少し離れた場所にある椅子に座わった。
ソファーと僕の座っている場所の間にはつい立てがあり、見えない様になっている。しかし、声は聞こえる。
二人の声を、関心を持って聴いていた。

「どの様なご用件でしょうか?」

「何でも調べてくれるのですか?秘密は守られるのですね?」

と、少し不安と焦りのある言い方をしてきた。

「私どもの出来る事でしたら、ご協力いたします。
また、個人の秘密は厳守させていただいております。」

と、代表は先ず依頼者の不安を取り除く事から始めた。

「調べて頂きたいのが、夫が浮気しているかどうかなのですが、
浮気は確実しています。その証拠を掴んで頂きたいのです。」

と、今度は不安を持った言葉では無く、自信のある喋り方であった。

「旦那さんの浮気の調査依頼ですね。分かりました。
奥様、此の様な案件はよくある案件でして、さほど珍しくはございません。本当に男って仕方無いですね。」

と代表は、依頼者に寄り添い安心させる様に言った。

(後の話は割愛します。あくまでも個人情報なので。)

そう言う事で、最初のお客の依頼は浮気調査だった。

余り読まれていませんが、懲りずに掲載。

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