(続)鋭利なちくわ(410字)(1分で読める小説)
「社長、世界各国で大変な事になっています。
弊社開発の『鋭利なちくわ』を食べて犠牲者が続出した
と、言っています」
と、血相を変えているのは営業部長だ。
「何故、鋭利なちくわを武器に
使用せずに食べたんだ!?」
と、怒りを表しているのが、製造部長である。
「あの、ちくわの形が武器に見えないのではないのかね」
と、社長は言う。
「形と申しますと、
どの様にすればよかったのでしょうか?」
と、聞く部長。
「だって、あの形では武器には見えないでしょ。」
「でも、あの形でないと食べ物にも見えません。」
「君は、あの『鋭利なちくわ』を武器として売りたかったのかね。それとも食べ物かね?」
と、聞く社長。
「勿論両方ですが、どちらかというと食べ物として
売り出すつもりでした。」
と、営業部長。
「私は武器として売るつもりで開発しました」
と、開発部長。
「最初から、二刀流は間違いのもとだったんだね」
と、力なく言う社長
「次は『バールの様なちくわ』を作ってくれたまえ」
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