見出し画像

 霊が撮れる例のカメラ(7)


7
一方警察では、殺人事件を捜査していた。
殺した方が、二年前の殺人事件と類似している為同一犯人では?
と言う疑問と期待があった。
この事件を解決する事によって、二年前の事件の解決となるかも知れない。捜査本部は色めきだっていた。
聞き込みを続ける中、ある証言を得る事が出来た。
殺人の行われた時刻頃に、「ある男性が⭕️⭕️公園から出てきた」
と言う証言である。
「男は鞄を持ち何故か、にやけ顔で歩道を歩いていた」と、云う
身長は、170cm〜175cm。
痩せ型
との、事であった。
警察は、その男の捜索に全力をあげていた。

警察がその様な捜査をしている事はつゆ知らず、
私は、店主に今日の夜中に写した写真の現像をお願いしにカメラ店に訪れていた。

いつもと同じで、客は私だけだった。
「どうだった、良い写真撮れたかい?」
と、何故か笑顔で聞いてくる。
「そんな事、解らないですよ。被写体が全く見えないのに
写真撮ってるんですよ。写っているかどうかも解らない。
でも、僕には感じたのです。霊達がカメラのレンズを観ているって、強く感じました。」

「それは凄い。霊達を感じるなんて!
修行を積んだ証拠だ。もっと積めば霊達が見えるよ。
そして君は世界で初めての幽霊を撮る写真家になるよ!」
と、励ましてくれる。

僕は複雑な気持ちで聞いていた。
嬉しい☺️様な嬉しく無い様な・・・・

「じゃ、そこで座って待っていてくれ。
お客が来ても、店主は居ないと言ってくれ」
と、昨日と同じ言葉を残して店主は現像室に消えて行った。
待つ事、一時間店主は現像室にまだ篭っている。お客は相変わらず誰も来ない。
「こんな状態でこのお店やっていけるのかな?」
と、またもや独り言。
……私は自分の心の声をそのまま出す正直者かも知れない。……
と、思っていた。
現像室のドアが開いた。
店主の顔色がいつもとは大きく違う。
……なにか写っているのか?……
と、期待が膨らんだ。

https://note.com/yagami12345/n/n543ebbf636dc

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?