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消えた金魚 (1分で読める小説)(意味が解るとホラーかも)

金魚鉢の中に何も居ない。
昨日までは、赤い金魚が5匹泳いで居たのに、
気がついたら何故か消えていた。
それと、ミケも居ない。
「お父さん、金魚がいないよ」
と、言っても答えてくれない。
最近、お父さんは元気がない。
お仕事に行かずに、お家に居る。
…どうしたのかな〜…
「お母さん、お腹空いたよ。ご飯にして〜」
と、言っても、お母さんも返事をしてくれない。
「どうしたの、お母さん。」と、聞いても
お母さんも、しおれている。

冷蔵庫を開けても何も無い。

「お母さん、冷蔵庫の中に何も入って無いよ。
何か買って来ないと。」
「買って来なくても良いんだよ。
ところで、昨日のお魚美味しかった?」
と、低く元気のない声でお母さんが言う。
「うん、昨日のお魚美味しかったよ。赤いお魚だったね」
と、僕は明るい声でお母さんを励ます様に言った。

「今日は、お肉だよ。冷凍庫を開けてくれるかい」
「うん、解ったよ」
と、僕は冷凍庫のドアを開けると、綺麗に解体された肉がある。

「焼肉か!今日はご馳走だね、お母さん」






#シロクマ文芸部

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