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三つ子の魂百までも(番外編)5


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巷を騒然とさせた、猟奇的殺人事件の解決に、
「リサーチ イイジマ」が関与していたとの評判が世間で噂され、
一躍注目を浴びる結果となり、依頼者が徐々に増えていった。
夏の本番も終わり初秋を迎える頃、
ある日、奇妙な依頼が舞い込んで来た。

依頼主は、大島晃子。年齢が22歳。
顔立ちは、小顔で美人と言うよりも可愛い顔であり、清楚な感じは好感が持てた。
服装も、都会の匂いがするのでは無く、田舎のお嬢さんという感じである。女優で言うならば、新垣結衣の若い頃の様な感じだ。
今年、大学を卒業して上京し一人暮らしを始めたのだが、
購入したマンションの部屋から奇妙な現象が起こると言うのだ。

大島晃子が言うには、
「私の住んでいる、部屋から夜になると変な音がするのです。
人が泣いている様な、何とも言えない不気味な音がするのです
私、この部屋の管理人に聞いたのですが、『この部屋は訳あり物件では無い』と言ってました。でも本当かどうかは解りません。
噂だと、此処で誰かが首を吊ったとか、殺人事件があったとか、
言われているのですが、本当かどうかは?買ったばかりなのに、気味が悪いのです。一体何者の仕業か、調べて欲しいのです」

裕美は、大島晃子の話を聴き終わった後、質問をした。

「この、お部屋ですけど、借りているのでは無く、購入したとおっしゃいましたが、その様に理解すればいいですか?」

「ええ、パパが、借りるよりも買った方が後で売れると言って、買ってくれたのです。」

「そうですか?お金持ちのお嬢さんですね」
と、裕美の声が少し明るい。
………きっと大金持ちのお嬢さんだ。
お金に糸目は付けなそうだわ……
と、声に出さない様に頭の中で喜びの声を発していた。

「私、買ってもらったのに、不安で仕方無いのです。
別の所に引っ越しも考えたのですが、此処は会社に近いし、それに、その様な理由で引っ越ししたら、次の買い手が付かないし。
この現象も私の思い込みかも知れないし。
本当に困っているの。どうしよう?」
大島晃子の声は暗く悲しい声である。

「そうですか?本当にお気の毒です。でもご安心ください。
私どもは、あの人々を震撼させた事件を解決した優秀なスタッフが此処にいるのです」
と、至って明るい声で裕美は言った。

「知ってます。ネットで見ました。日本のポアロとも言える名探偵の人が、此処にいるのですね。今はどちらにいらっしゃるのですか?」
と、晃子の声が少し明るく聞こえる。

https://note.com/yagami12345/n/n873db132d388


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