![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/95959761/rectangle_large_type_2_ac6e407dee5fcb7144060fc5c5e40c1a.png?width=1200)
Photo by
tomekantyou1
掌編小説 「試したい」
大学生の時いつも考えている事があった。
授業を出席と見せかけていかにサボるか?
それと、試験の時にいかに上手くカンニングするか?
思えば、情け無い話である。
その結果、希望する仕事にも就けず
就いた所が、葬儀屋だった。
しかも、闇の葬儀屋だ。
闇と言うからには、表には出ない。
そう、遺体の処理屋である。
昨日はある男が、父親の年金欲しさに、父親の遺体を闇に隠し
生きている様に見せかける仕事だった。
3日前は、ヤクザの組長を殺した男に遺体の処理を頼まれた。
葬儀もせずに送り出す為か、異様な事態に最近私は、気が付きだした。
悪霊が私の身に取り憑いているのか?
死者の声が聴こえるのか?
それも、鮮烈な声である。
この仕事をやり出して二年、入社の動機は報酬の良さであった。
だが、最近は毎晩の様に、霊の声が聞こえてくるのか?
私は悩んだ末に退職届けを出す事に決めた。
退職届は、社長はすんなりと受けてくれた。
これで安心して暮らしていける。
だが、その声は今も私に聴こえてくる。しかも更に強烈に!
「人の身体切り刻んで面白いかい?あんまり楽しむなよ!」
そう、私は人肉に刺さるナイフのあの快感が、たまらなく好きだ!
今度は、生きている人間で・・・。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?