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夏の終わりに(1分で読める小説)

暑い夏の日差しが翳りだし、迎えるのは静かな秋。
秋は、私の好きな季節。

秋の日暮は早く、夜が長い。

ビールの銘柄も「秋味」に変わり、
夏で落ちた食欲も、秋には蘇る。
残念な事に甦る事が出来ない欲もあるのだが。

読書の秋とは言うが、私はあまり読書を
しない。
朗読を聴くだけ。だけど、聴いていると
いつの間にか寝てしまう。

子供の頃は、春が好きだった。
辛い冬が終わり、外で遊べる春が好きだった。

青年期は夏が好きだった。
ギラギラと燃える太陽に身をかざし、爽快に車を
飛ばし、彼女と二人街並みを行く姿に憧れを持っていた。
ユーミンの「中央フリーウェイ」この歌は、
私の夢の光景だった。
だが、その夢は夢のままで終わりを告げた。

そして今、人生は熟成期を迎え
秋の好きな私になった。

街は彩りを増し、吹く風は優しく私を包む。
恋人達は、底抜けの顔で街角で楽しんでいる。
燃える秋、空はペルシャンブルー。

空気が澄み、限りなく広がる青空。
山並みは、さまざまな色に塗られて行く。

落ち葉が舞い散る頃、秋の寿命が尽きる。
秋の寿命は短くて、
また辛く寂しい冬に向かう。

私の人生も、もう直ぐ冬に向かうのかな〜
嫌だな〜
寂しいな〜

人生がニ度あれば、良いのにな〜
そう言えば、井上陽水も歌ってたな〜

誰か、タイムマシンを作ってください!!

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