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秘密(16)(2分で読める小説)

16
「さて、本題に入ろうか!」
と、真剣な素振りのデスラー
全員に緊張感が漂う。

「地球新略を企むFM星人はこの日本に来年あたりに来るとの情報を得た。
もうそろそろだ、奴らが来るのは!
君達の出番だぞ、奴らが来る前に水際で阻止する。
先手必勝だぞ」
と、気合いを入れるデスラー。

僕は疑問を感じて、デスラーに尋ねた。

「デスラー様、FM星人は日本だけ何故狙うのですか?
他の外国には行かないのですか?」

おそらく、全員の疑問であろう。

「真田君、良い質問だ・・・・。
それは、・・・」
と、デスラーがもったいぶった言い方をした。

だが、その後の言葉をデスラーが言う前に
石田純一がデスラーの心を読み取り言った。

「FM星人、地球儀にダーツを投げてたみたいです。
ダーツに当たったのが、日本です。それであの宇宙人が来るみたいです。」

「・・・・・」
何も言えずに黙るデスラー
その表情は、怒りの表情を匂わす。
その、雰囲気を読みとったのかミカコは
「デスラー様、石田が言っておりますが、本当でしょうか?
彼の読心術の修行も進んでいるのでしょうか?」

と、デスラーに気を使う、社交辞令の上手な女。
忖度も心得ている女。

「石田純一君、君も随分修行を積んだらしいね」
と、低い声で嫌味の気持ちを込めて言う。
その心を読みとったのか、石田純一はそれ以後この会では話さなくなる。

「地球儀にダーツを当てて決めたって本当ですか」
と、僕は驚きの声を出す。

「そうだ、FM星では、大事な事はダーツで決める。
そして一度決めたら変える事はできないのだ。
だから、日本を狙う事は間違いがないのだ」

「そうなんですか?何だか幼稚くさいですね。」
「そうだ!奴らFM星人は我々とは違い幼稚な宇宙人なのだ!」
と、デスラーが優越感を込めて言う。
…やはりデスラーは宇宙人か!…
と、僕が思っている時、石田純一が
僕の顔みて、頷く様に首を縦に動かした。

「デスラー様FM星人はどの様にして地球にやって来るのですか?
しかも日本に、どの様に入って来るのでしょうか?
それと、FM星人の姿はどの様な物ですか?」

と、ミカコがみんなを代表して質問する。

「良い質問だ、ミカコ君。彼らは宇宙船で来るはずだが、
おそらく地球のレーダーでは感知できないであろう。
この時、千里眼の千田君の出番だ。
宇宙船を見つけて欲しい。
また、来る時期を予知するのは、斉藤君、君の仕事だ。」

「はい、解りました。」と、元気良く答えたのは千田君だった。
斉藤君は、自信が無いのか下を見ている。
「斉藤君、どうしてた?自信が無いのか?」
と、イラだった言い方をするデスラー。
デスラーは相当気が短いのかも知れない。

「黙っていては、解らないぞ!」
と、語調がきつい。

斉藤君は、気が弱い性格かも知れない。
きつい言い方をされて怯えているのか?

斉藤君は、顔をあげ、不安そうに言う。
「私の予知能力ですが、修行の成果が出たのか身近な事も予知できる様になっては来たのですが、まだ精度が不十分なのです。
当たる確率が低いのです」
と、顔が青ざめている。



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