特殊能力(205字の小説)
近くの声が聞こえない。
人の声が解らない。
医師の診断結果は原因不明とのこと。
私は聴覚不能と判定された。
だが救いは、近くの声は聞き取れないが、遠く離れた声は良く聴こえる。
今日も、あのおばさん連中が井戸端会議ならぬ炊事場会議。
人の悪口ばかり聴こえてくる。
彼方からも此方からも、聴こえてくる。
本当にうるさい!
特殊な聴力を身につけると、ろくな事が無い。
最近は天国と地獄の声も聴ける様になった。
「次はあの人が、死ぬのか〜」
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