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琴奨菊関の引退

琴奨菊和弘が36歳で引退。今後は年寄・秀ノ山を襲名。十両に陥落したが、白星が上がらず連敗したので覚悟を決めたのだろう。大関にして、優勝経験もある。左四つからのガブリ寄りを得意技として、強い時は滅法強かった。そのかわり土俵際で突き落とされてバッタリ落ちることも最近では増えていた。2016年の初場所で、日本人として10年ぶりに優勝したことも強烈な印象を残した。福岡県柳川市の出身で、西鉄柳川駅には故郷の英雄を称える横断幕があった人気者。
 琴奨菊の人気の一つは「琴バウアー」。仕切りの間に大きく背中を反らせるパフォーマンスに客席は大いに沸いた。結婚式で夫婦で琴バウアーを披露する、お茶目なシーンも可愛らしかった。封印のきっかけは野球のソフトバンク内川聖一選手の「気はグラウンドに敷き詰めないといけない。気を敷き詰めた庭だから、打球が落ちてくれる」という言葉がきっかけ。これを聞いて「土俵で体を反らすことでためていた気を分散させてしまうのではないか。そう考えて、逆にぐっと内に締めて臨むようにしました。内川さんの言うグラウンドは私にとっては土俵。考え方が結構似ているところがあるから、素直にやってみようと思えました」という西日本スポーツのインタビューがあった。11月場所の6日目は琴奨菊の最後の土俵となったが、仕切りの時に2年ぶりに琴バウアーを見せてくれたのは、ファンに対する餞別だったのだろう。その気持ちが嬉しい。味のある力士がまた1人去ることは寂しいことだ。
https://ja.wikipedia.org/wiki/琴奨菊和弘

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