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早見俊「観相同心早瀬菊之丞」

早見俊「観相同心早瀬菊之丞」(徳間文庫)。電子書籍版はこちら↓

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早瀬菊之丞は南町奉行所定町廻り同心。大坂で観相見の達人・水野南北に師事。容貌や身なりから人の性格や運命を判断できる。骨相見を通じて敵の関節を外したり、針や指で急所を一撃する必殺技もお手の物。容貌怪異で力士のような巨漢ながら、人をそらさぬ茶目っ気も持つ性格。八丁堀同心・早瀬家の次男坊だった菊之丞が、江戸に戻ると父は他界。生真面目な兄の宗太郎が父の跡を継いでいた。しかし兄も何者かに殺され、菊之丞が同心となった。手下の岡っ引き、薬研の寅蔵(出来はともかく愛嬌たっぷり)と巷間の事件を次々と解決。存在そのものがユニークな「お江戸の刑事コロンボ」という感じ。観相で答えを先に出しておいて、犯行の動機や過程を後追いで解き明かしてゆく逆転の推理。そこに人情の機微や、人の欲得の儚さが浮き彫りにされる。

1️⃣第一話 毒の戯れ

不肖の旗本・監物が毒を盛られて頓死。菊之丞は同席者を見た途端に真犯人の名を口にする。証拠もなく、手出し無用の旗本事件。果たして菊之丞は事件をどう解決するのか?

2️⃣第二話 帰って来た相棒

藤次郎の小間物屋「天野屋」は商売繁盛の立身出世。妻は早逝したが、愛娘のお紋は美しく育つ。しかし順風満帆な藤次郎に、歓迎すべからず訪問が。

3️⃣第三話 鯉屋敷の怪夜

お世辞にも美人と言い難いお雪が、鯉屋敷の女中に採用。庭を掃除して、御隠居の話し相手をするだけで破格の給料。しかも開かずの間もある。気味悪くなったお雪は寅蔵に相談。

4️⃣第四話 奇妙な茶碗

 茶の大家・大谷慶州は骨董市で発掘した茶器を屋敷に持ち帰った後に殺害されてしまう。しかしなぜか高価な器ではなく、日常使いの茶器が盗まれていた。


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