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親友の志村昌子先生が逝く

また一人友人を喪った。高校の同級生で翻訳家の志村昌子先生は、旧姓村上だったので、われわれは「ムラカミ」と呼んでいた。キュートで、剽軽で、機転が効いて、気配りもできる人気者だった。志村昌子先生は、児童書から専門書まで幅広い分野の書籍を翻訳されていた。ジャニス・P・ニムラ「少女たちの明治維新」(原書房)、リズ・ブラウン「美女と野獣 運命のとびら(下)」(小学館)、クリスティ・ゴールド「ヴァレリアン千と惑星の救世主」(キノブックス)などの翻訳実績がある。中でも原書房「オリンピック全史」は共訳だったけれど、内容の充実したハードな翻訳だった。自分も曲がりなりにも、出版社の社長を務めていた時期があったので、翻訳の良し悪しはある程度わかる。彼女の翻訳は、骨格がハッキリしていて、それでいて女性らしい優美な文体だった。故人は漫画好きでもあった。私が漫画を復刻していた時期に、よく高額な漫画全集「ベルサイユのばら」「バビル二世」などを買い込んでくれた。だから隣席になった時などは、よくディープな漫画話になった。そして女だてらにマカロニウェスタン好き。僕が編集者として出した「マカロニウェスタン殺戮と銃撃のバラード」も喜んで読んで下さった。博覧強記で好奇心旺盛な志村昌子先生には、もう会えない。
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