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恵本裕子+小林まこと「女子柔道部物語⑩」

恵本裕子(原作)+小林まこと(絵)「女子柔道部物語⑩」(講談社)。
https://kc.kodansha.co.jp/product?item=0000348379
 いよいよ高校二年生となったカムイ南高校の神楽えも、春高こと全国高校柔道選手権の北海道大会を迎える。部全体が底上げされたカムイ南高校は4つの階級で6人もが決勝に進出する。そうなると決勝ではチームメイトどうしの組み合わせもあり。道内ではライバルが他の階級に転向するくらい無敵となった神楽えも。しかし同じチームの下級生で実力をつけてきた才木和泉が、神楽えもに追いつこうと闘志を燃やし、死力を尽くす。
 柔道は高校時代に、背負い投げが得意で好きだった。だから柔道話も好き。同じく小林まこと「柔道部物語」は大好き。大学の寝技柔道を描いた増田俊也「七帝柔道記」と井上靖「北の海」もよく読んだ。「女子柔道部物語」も、目の覚める技の切れ味の描写が快感。そして何より好きなのが、描かれている女子部員たちの愛くるしさ。屈強のわりには、他校男子からの見た目に一喜一憂したり、女子高生ならではの能天気さも読んで笑える。絵に描かれている容姿だって、少年漫画にも少女漫画にもない、健康的な色気と美貌である。思わず神楽えもに惚れてしまう。この歳にして、読んで恋した学生気分になれるのが嬉しい。

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