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オリンピックは続けるべきか?

北京オリンピックが終わった。しかし非常に後味が悪かった。東京オリンピック以来、このところどうもオリンピックというイベントがシックリ来ない。
1️⃣政治的な背景とIOC
①中国の人権問題で西側諸国が外交ボイコット。自由を求める香港やウイグル・チベットなど少数民族弾圧を、開会式で存在しないように演出。
②ロシアのウクライナ進駐。オリンピック中にNATO軍が反撃で手を出し辛くするための政治的利用を匂わせる。
③ロシアはドーピング問題でROC(ロシアオリンピック委員会)参加。これでは何のペナルティにもなっていないから、違反のし放題の果てにワリエワ問題。未成年の少女の身体を廃人にするなかれ。
④本体バッハ会長は、コロナ禍蔓延を警戒する中国政府に対して、観客を収容人員の50%入場を要望。中国人民の安全より入場料収入が大事なのか? ずっとIOC委員の腐敗や厚遇も問題になっている。公益では身を切るべし、利用して儲けるなと言いたい。
2️⃣そもそもオリンピックは4年に一度ある日に過ぎない
①大会2日目に銅メダルを獲得した堀島行真選手のインタビューで「どんなにW杯で勝っても、オリンピックで勝たねば、支援者に報いることにはならない」。これはふだんにどんなに努力して成果を出しているよりも、4年に1回のオリンピックに勝つ方が価値があるということ。平時の努力や実績よりも大舞台の一発屋を優先するようで何か変だと思う。たまたまその日に調子がよかっただけである。かつて女子モーグルで、常にW杯で勝って、いつも後輩の指導を続けてきた上村愛子がメダルに届かず、その反面であまり練習熱心ではない上に、スキャンダルを起こし続けた選手が連続してメダルに輝いた矛盾。
②女子ジャンプの高梨沙羅は北京オリンピックで4位に終わったことで「もう私の出る幕じゃないのかな」と悲しげに自問していた。もちろん日本人がメダルを獲れば僕らも嬉しい。しかし世界で4位は「入賞(8位まで)」しているし、充分に賞賛に値する実績。入賞者には賞状も出たはず。女子ジャンプというスポーツを切り拓いてきたのは彼女に他ならない。プロ野球で首位打者はタイトルだが、打率3位と4位はさして価値の変わる差ではない。
③オリンピックが始まると、マスコミが「メダル、メダル」と大騒ぎするのも見苦しい。もちろん日本人がメダルを獲れば僕も嬉しい。しかしスポーツって国家がやるものではなく個人がやるものだ(団体スポーツは国家単位のチームだが)。そんなにメダルがありがたがられるなら、オリンピックに出場した選手全員に記念品として鉄メダルでもあげればいい。
④ジャッジのトラブルや疑惑も多かった。ジャンプ混合団体をはじめとして、ショートトラック、スノーボードハーフパイプ、500m男子のフライングなど数多。参加より勝負、救済より管理の優先、そして計測基準の曖昧。途中で観る気が失せてしまった。
3️⃣もういっそオリンピックをやめてもいいのではないか。
①オリンピックは平和の祭典というより、世界のストレスになりつつある。
②近年では開催を希望する都市も減っている。開催都市は建設費だけでなく、開催後の設備維持による経済負担に苦心惨憺してきた。
③メジャースポーツはそれぞれのスポーツで世界選手権を毎年やればいいし、やっているスポーツもフィギュアスケートのグランプリファイナルなど多い。少なくとも野球、サッカー、ゴルフ、テニス、バスケットボール、アイスホッケーなどのプロスポーツは実績に関係ない非公式戦なのだから、オリンピックはあまり重要な大会ではないはず。
④マイナースポーツにはオリンピック参加の意味があるのかもしれなので、やるのなら規模を誇るだけでなく、新競技紹介やパラリンピックに重点を移してはどうだろうか。それじゃあ儲からないから存在意義がなくなる⁈

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