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響龍の死

正直、境川部屋の響龍が亡くなったニュースは相当にショックだった。まだ28歳の若さだった。春場所13日目の三段目取組ですくい投げを打たれて頭部から落ち、土俵に倒れたまま動けない状態が数分間続いた。その後、医師らが駆け付け、担架で運び出された。救急搬送されたときは意識はあったが、首から下が動かない状況だった。全身麻痺の状態だったが、入院後に回復の兆しがあったとのことだったが、4月28日に脳梗塞を起こして容態が急変した。
 今までここまで深刻な光景を観たことがなかった。誰が悪いわけでもない。事故の初動では、芝田山広報部長が言うように、動かしていい場合とよくない場合の見極めも大事。ここのところ力士の大型化で、幕内力士の平均体重は160kgに迫っている。しかし土俵の広さは変わっていない。そういう意味で力士のリスクは高まっている。今回のような頭の強打以外にも、膝や腰を痛めているケースがやたらと増えている。スポーツにケガはつきものだが、できることなら健康に相撲を取って欲しい。また溜まり席に力士が転落して、親方衆やカメラマンが大けがするシーンも目にする。国技館には相撲診療所もあるが、土俵下に医師を常駐させるとか、不測の事態に迅速に備えた体制を強化して頂きたいものだ。

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