大野克彦「にんにん忍太くん①」

「わんぱっくコミック・リバイバル」。大野克彦「にんにん忍太くん①」(徳間書店)。電子書籍版はこちら↓
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忍びの世界で「倭神天の書」は天下を統べる価値のある巻物。猿飛佐助に握られた「倭神天の書」を服部半蔵正成は何とか奪還しようと目論む。時は昭和６２年７月、猿飛家第21代の忍美を母として、青葉台小学校５年生の忍太は修行に忍術に励んでいた。そして時を超えて、佐助は忍太の中に潜んで「倭神天の書」を所有していた。そこに半蔵は息子の和正やアメリカのくノ一ローラを刺客として送り込むが、二人とも敵わないだけでなく、忍太と仲良くなってしまう。忍太のピンチとなると、佐助が姿を現すことを知った半蔵は、白雲斎など強敵を現代に送り込む。それでも書物を取り返せない半蔵に業を煮やして、魔幻一族が猿飛一行を魔幻界に誘い込む。忍太たちは幻影城で幻妖居士と対決するが、そこで「倭神の書」は一の書、二の書があることが明らかになる。忍太は二の書が同級生の中林明葉の許にあることを夢で知る。
　忍者見習いの忍太くんであったが「倭神天の書」を守るという課題を通して、次第にその能力をアップさせる。それには先祖である猿飛佐助がバックに控えていて、忍太くんを新たな猿飛一族の若きリーダーに育てようという心配りがある。スクスクと成長する忍太くんにライバルたちも兜を脱いで、彼の懐の深さに心を寄せる。特に刺客だったローラは忍太くんにゾッコン。途中から登場する美少女・明葉ちゃんにヤキモキ。この作品は1月に出す第2巻に続く楽しみが待っている。ますますの忍太くんの活躍に期待。