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安達瑶「降格警視2」

安達瑶「降格警視2」(徳間文庫)。電子書籍版はこちら

https://www.amazon.co.jp/dp/B0B34PHTQ2/

東京の下町である墨井区。そこには警察庁の超エリート警視・錦戸准が警部に降格されて墨井署生活安全課に赴任。この地区は整骨院長の榊鋼太郎が「私人逮捕」(現行犯なら警官でなくても逮捕は合法)で活躍。頭脳明晰なれど世渡りの下手なエリート脱落刑事と、刑事ドラマ好きの世話焼きおじさん。妙にウマがあって、いかにも下町の小さいけれど、放ってはおけない事件(刑事部は相手にしてくれない)に挑む。整骨院のアシスタント・小牧ちゃん、鋼太郎行きつけの居酒屋「クスノキ」の大将も捜査に参戦。「私人逮捕」「降格警視」「降格警視2」と続く三連作。四つの短編からなる、笑いあり、涙あり、人情たっぷりの下町警察小説。同時に警察の硬直したお役所感覚も、ユーモラスにチクリ。

1️⃣おまわりさんの副業

下町のおじさんたちのオアシスとなった風俗マッサージ「シャングリラ」。しかしお店のオーナーが現職の警察官と判明。摘発に乗り出す錦戸に、お店のアイドル・ミクちゃん(時には過剰サービスあり)ファンたちが大反対。そんな中でおじさんたちの天使・ミクちゃんが行方不明になる。

2️⃣木造アパート空き巣+依頼殺人

ダメ亭主への罵詈雑言を書き込んだ「夫を絨毯爆撃」。しかし個人情報が特定できる投稿から「世直し判事」と名乗る第三者から「夫を始末してあげましょう」というオファーが妻に舞い込む。「夫を絨毯爆撃」の炎上に気がついた鋼太郎は、事件の発生を予感する。

3️⃣落選候補者の悲哀

墨井区議会議員に立候補した藤沢祐輔。世に奉仕する彼の人柄に共感した「クスノキ」の大将と鋼太郎は選挙応援に奔走する。だが広告代理店の同僚時代からのライバルの女性候補・木元恵子も出馬。彼女の妨害で、祐輔は次点で落選。しかしドラマはこの後に待っていた。

4️⃣女子高生誘拐

「クスノキ」でバイトに精出す純子、かおり、瑞穂の三人娘。最も地味でゲームオタクな瑞穂が、オンラインゲーム相手の男性の鬼嫁に不倫と勘違いされて車で攫われる。女子高生の行方不明くらいでは動こうとしない捜査一係に、錦戸たち一向は独自でカーチェイスを始める。

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