同級生の墓参り
高校の同級生のお墓にお詣りした。横浜市都筑区の浄土宗の宗忠寺というお寺である。昨年7月に亡くなった翻訳家で、誰からも好かれる女性だった。道行きはご主人と同級生4人。この歳になると親しい友人が亡くなることは、喪失感と共にわが身に置き換えて「未来は永劫でない」ということを実感することになる。正直、彼女が亡くなって、少し自我が崩壊した。生前は同期で仲の良い組み合わせで、よく食事に行ったりしていた。この組み合わせが絶妙で、一緒に行動していて、とても楽しかった。それが一人欠けたことでバランスが崩れて、かつコロナ禍で会えなくなって疎遠になっていった。
故人は漫画好きで、漫画の出版を仕事としていた自分以上にその道に詳しかった。自分の元職場で刊行していた高額な漫画本全集も、よく買ってくれていた。彼女が買ってくれれば、その企画は確かなものである心強さがあった。翻訳家でもあったので、彼女が訳した本を買い求めて読むと、とてもしっかりした訳文で、リスペクトできた。亡くなってから、ご主人と話す機会が持てて、生前の彼女に対して自分が持っていたイメージだけでなく、意外に気の強い側面があったことも知った。こういうこともご家族と話すきっかけがあってこその機会だった。この日は5人で故人の思い出を親密に語れて、とっても楽しかった。
https://tesshow.jp/yokohama/tsuzki/temple_ike_sochu.html