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黒崎視音「警視庁心理捜査官 公安捜査官 柳原明日香」

黒崎視音「警視庁心理捜査官 公安捜査官 柳原明日香」(徳間文庫)。電子書籍版はこちら↓
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 警視庁本庁舎14階・公安部第一課課長室会に流れる、三十路女の閨房の喘ぎ声。自らの痴態録音を、男性上司4人の前で一緒に聴かされた柳明日香警部補。死ぬほどの屈辱の中で、身を委ねた男がハニートラップだったと知った明日香。それも公安二課から公安一課に仕掛けられた秘聴だった。時を同じくして、公安一課が追っていた爆弾犯が公安二課に逮捕された。たとえ同じ警視庁といえども、違う部署に情報を流した者は「通謀者(もぐら)」の烙印を押される。身に覚えのない濡れ衣を着せられた明日香は、事件の解明と復讐を誓う。
 「警視庁心理捜査官」シリーズと対をなす、黒崎視音の「柳原明日香」シリーズ。「警視庁心理捜査官」の吉村爽子と固い絆で結ばれている柳原明日香。スタイル抜群の美貌の刑事。若手の同性刑事から寄せられるリスペクトは宝塚並み。そんな明日香も、警視庁の縦割りでの縄張り意識と男社会に翻弄される。しかし明日香はタダでは転ばない。自らの可能性を諦めない。そして自らを陥れた奴らを許しはしない。そこには社会秩序と安全を守る公安という仕事への愛があり、明日香の信念と能力を信じる同僚たちがいたからこそ挑める道だった。

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