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大相撲中継、峰崎親方の味ある解説

大相撲5月場所5日目のNHK放送で、幕内の向正面解説は5月場所で定年を迎える峰崎親方がゲストだった。現役時代は三杉磯。青森県出身で、中学3年に花籠部屋へ昭和46年に入門、現役生活16年で前頭2枚目を最高位として、引退は(輪島の不祥事で移籍した)放駒部屋で昭和61年。蔵間、出羽の花と共にイケメン力士として人気があった。昭和54年9月場所では、北の湖・三重ノ海両横綱に連日の金星を挙げた殊勲があった。しかし三役、三賞には届かず。引退後に練馬区田柄に峰崎部屋を開き、関取としては荒鷲を育てた。角界ではいち早く部屋のホームページを開いたりする先進性があった。部屋は親方の定年を以ってして解散し、所属力士は芝田山・高田川・西岩の三部屋に分散。峰崎親方は再雇用で芝田山部屋付きとなる。
 定年を前にして、相撲人生を振り返るに当たっての解説が、淡々としながらもユニークかつ慧眼だった。物言いがついた時の判断として「近くで見ているより、遠くから見ている方が勝敗がよくわかる」と発言。これは峰崎親方が審判部を務めていた土俵下での経験則。近くでジッと見ていると、注視が力士の動作に追いつかない。むしろ遠目で全体を俯瞰している方が勝敗がよくわかるそうだ。今後の力士に望むこととしては「四股を踏め」「人より朝早く起きて稽古を積め」。力士としても、親方としても大出世で目立つことはなかった。その弟子・荒鷲もまたおとなしく地味であった(荒鷲の第二の人生はビルメンテ業とのこと)。コツコツ努力してきた味のある人柄に魅了された向正面解説であった。

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