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チアリーディングがくれたもの

チアリーディングについては「チアリーディングの魅力」をご覧ください。

#スポーツがくれたもの   というテーマの記事募集が出ていたので
僭越ながら書かせていただきます。

2021年でチアリーディングに関わって15年。
今はコーチとして活動していますが、
チアリーディングがくれたものはたくさんあります。
他のスポーツと共通するもの(体力、仲間など)はもちろんですが
チアリーディングだからこそ、というものを、3つ紹介します。

チアリーディングがくれたもの①:度胸

チアリーディングは人前に出て演技をする競技。
そして、発祥がアメリカということもあり、
「目立ってなんぼ!!」の世界です。
(日本では関西圏が強いですが、気質も大きいなと思います)
自分を見て!!とにかく目立つ!!
ダンス系の競技でも同じことはいえますが、
「アピール」という独特の(謎のw)風習があります。
入退場もですが、演技中に、煽りのような、声を出して手をあげて
自由にお客さんにアピールするという動きがあります。
チーム名を言ったり、"Come on!"とか"Let's go!"とか言ったり色々ですw
決まりは特にありませんw

参考:2017年世界選手権 日本チーム

これ、最初は当たり前ですが緊張しますw
新入部員はこれの練習をひたすらさせられます。
まー、恥ずかしいですよ。一般人は。
決まったことをやるのも緊張するのに、「自由」って何?!
どういうことよ?!ってなります。
恥ずかしがりながら至近距離でやられると共感性羞恥が発動しますw
当然、新入生同士は発動しまくりできついですw

しかしですね、慣れるんですよ。
確かにこれがあるのとないのじゃ、盛り上がりが全然違うし、
入場のインパクトって本当に大事で、
特にイベントなんかだと、
そこでどんだけ盛れるかで演技が決まると言っても過言ではないです。

これを何年も続けてると、
他のことでも緊張しなくなります。
それから、アドリブにも強くなります。

ほんの少しの「アピール」という動作だけですが
そんなトレーニングにもなります。

チアリーディングがくれたもの、一つ目とは、「度胸」
人前に出て、決められていないことでもできるようになります。

チアリーディングがくれたもの②:からだの特徴を知る機会

他のスポーツでも、
例えば「○○は背が高いから高いところのボールにもすぐ届く」とか
身体的特徴が生かせる機会ありますよね。


チアリーディングは道具を使わず、
人が人の上に乗るスポーツなので、
その人の身体的特徴がモロに影響します。
ネガティブに感じてしまうこともあるけれど、
自分やチームメイトの身体的特徴を知って、それの活かし方を知ることで
自分の居場所を見つけることができる。
人のヒザのつき方とか、中指が長いとか、じっくり見ないですよねw
ですが、チアリーディングをしているとそういう話をするのが日常です。

どっちがいい、ということではなく、
その特徴があるからどうするか?という発想です。

私は人より手が大きく、とてもコンプレックスに感じていました。
ですが、チアリーディングでは、上に乗るメンバーの靴を持って地面になるので、
上の子からすれば、大きい私の手は「地面が広い」となります。
そうすると当然ながら安心できますよね。
もちろん大きければ良いということではなく、
その分、力の入れ方が難しくなるので、工夫が必要ですが、
コンプレックスがコンプレックスではなくなりました。

こんなふうに、自分の体はどうなっている。
どこに力を入れるのが得意で苦手で、
これはこう生かせる。
そうやって考える機会をもらえます。

コーチをしていると、どうしても身体的特徴を観察してしまうので
日常でもついつい人の体をジロジロ見てしまう怪しい人になりますw
(職業病)

チアリーディングがくれたもの③:人を傷つけてしまうかもしれないという機会

スポーツをしていると、多かれ少なかれ、ケガはつきものですよね。
ですが、チアリーディングでは、
自分が傷つくこと以外に、
人を傷つけてしまう可能性があります。
私はあえてそれを「機会」として、
そこから得る学びがある、ということを伝えたいです。

当たり前ですが故意の暴力はダメです。
ですが、時として、意図せず人を傷つけてしまうことってありますよね。
身体的な暴力だけでなく、精神的な暴力も。
被害者になって痛い思いをすることもあるし、
そういう経験をすれば加害者にならないという理屈もわかりますが
自分が人を傷つけてしまうかもしれないという恐怖心、
罪悪感や、やりきれない気持ち、後悔などを
味わうことで、
その後の人生で人を傷つけないように気を配るようになります。
日常生活の中で、暴言などにより人を傷つけてしまうリスクは
そこらじゅうに、いつでもあります。

チアリーディングはお互いに命を預けあうスポーツです。
上の人も下の人も、決められた動きをしないと
怪我のリスクが高まります。
実際には、怪我が起きないように準備や練習をしますし
コーチはその危険がないように指導をします。
ですので、実際は事故はそこまで起きません。

ですが、起こりうる危険性については
しつこいほど伝えます。
下手をすれば相手を死なせてしまうかもしれないということを
しっかり伝えます。

そして、「ヒヤリハット」のようなことは
起きるわけです。
起きてはいけないけれど、私は実際に人に怪我をさせてしまったことがあります。
もちろん相手は、私が必死だったことを知っているので
責めたりしませんが、
その時の、やるせない気持ち、
どうしてできなかったんだろうという気持ちは今でも忘れられません。
だからこそ、生徒たちに丁寧に伝えます。
人と話していて、自分がこれを言ったら相手はどう思うかと
考えるようにしています。

人は簡単に傷ついてしまう。
自分はそんなつもりがなくても。
起きてからでは遅いんだと。

言葉ではわかっていても、実際に「起きそう」な状況を体験すると
人を傷つけてしまうかもしれない、という恐怖は
想像を絶するものです。
その機会は、とても大事。
本当は人と関わる時に、
相手を傷つけるリスクがあるはずなのに
そんなこと忘れて関わってしまうから。
だから、実際に人の上に乗って、人を乗せて
そういう体験をすることが、貴重だと思います。
チアリーディングがその擬似体験としての良い場となります。

人を傷つけてしまうかもしれないという機会、
チアリーディングがくれたものの3つ目です。

まとめ

チアリーディングは私に、以下の3つをくれました。
①度胸
②からだの特徴を知る機会
③人を傷つけてしまうかもしれないという機会

もちろん他にもたくさん!!!ありますが、
チアリーディングの競技特性があらわれている3つだと思います。
これからも、この素敵なスポーツを
色々な形で広めていけるよう活動していきます!

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