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本当にあったけど怖くはない話


突然ですが、これを見ているあなたは心霊的・スピリチュアル的体験、経験をした事があるでしょうか?

私はそういう話を見聞きする事さえ怖いので夏の夜は番組表と睨めっこしてはそういった番組やCMに不意に出会ってしまわないように必死な小心者です。

従兄弟や宗教狂いの母や祖母は頻繁にそういった体験をしているようですが、自分には関係の無いことだと思ってました。
が、先日、ソレっぽい事態が身に起きまして。

その日、私は数人との食事のあと思わぬ失態を演じてしまい、全員を家に送り届けた後に自己嫌悪のピークのなかただただ国道をドライブしていました。いつもなら1本隣の大通りを使うのに。
ふと、父方のおばあちゃんの実家とその家のお墓の近くを通りかかった時、真夜中なのにその大通りの前方を歩行者が横切ったんです。だいぶなめらかな足取りで、オレンジの街灯しかない道路を白く光りながら。

やばいモン見ちったかもしれない。

新聞配達の人かな、とか、いやこの時間かて人は歩くだろう、とか考えながらもその人影が歩いていった先を通り過ぎながら見てみても、もちろん人影どころか何もなくて。
ヤバい、とは口で言っていたものの、特にビビるわけでも怖く思う訳でもなく。

その日の朝はちょうど母方のおばあちゃん達と母方系の親戚のお墓参りを済ませていたので、「ああ、こっち(父方)もお墓参りしなきゃ平等じゃないわなぁ」なんて思ったりしました。
明くる日に父と父方のおばあちゃんにそれを伝えて、週末にまたその道を通ってそちらのお墓に行くことにしました。

週末、いざ明るい時間帯にその道を通ると
私が例の体験をした道には歩道はあるものの柵に途切れ目はなく、人が徒歩で渡るのは不可能でした。はい、生身の人間である一縷の希望、アウト。

程なくして目的のお墓に着いて、お参りを済ませて、そのあとは何も起きることなく帰宅しました。強いて言うならおばあちゃんが丸亀製麺で大盛りのうどん平らげたくらいです。御歳78。こわ。

それから少し経った今日。というか先程。
そんなうどん爆食ばあちゃんからめずらしく電話が入りまして。

「アンタが見た白い人、わかったよ。私の姉さんが死んだ。」

と。

20年ぐらい前に物心つく前にもしかしたら会ってた、程度のおばあさん。なぜ私の前に現れたのか。そしてまだ生死の境をさまよっていた段階でもうお墓に向かって歩いていたのか。

いやもう私のおばあちゃんだいぶトチ狂ったホンワカパッパ系婆さんなのでその姉ともなればどういった行動をなさるか全然想像もつかないからありえるのかありえないのかすら分からないんですが。

とりあえず今のよくわからない衝撃を忘れないうちに書きとめた次第です。

ちゃんとお墓に入りましたら会いに行きますね、長らくお疲れ様でした。今度会うことがあったらびっくりさせないでね、こちら事故っちゃいますから。

2021.02.18 妹の孫より、ばあちゃんの姉へ。

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