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日記#04│ありがとうエスタ

明日から東京に行くので、会う皆々様への土産やらなにやらを買うべく夕方からさっぽろ駅に向かった。駅に隣接した地下街は平日ならそこまで混んでいないのだが、なんだか騒がしい。ものすごく人が多い。なんだなんだと進んでいくと、エスタ大食品街の入口に「45年間ありがとうございました」と大きな幕がかかっている。

エスタが2023年8月31日、つまり本日をもって閉店するらしい。札幌を知らない人にはピンとこないと思うが、エスタは札幌の民にとって非常になじみぶかいショッピングビルだ。デパ地下、家電量販店、ユニクロ、レストランエリア、ニトリ……その他もろもろ、下から上へと回れば何かしら購入してほっこりできる、老若男女問わず楽しめるビルである。

幼少期にエスタを歩いた記憶があるし、高校生のときは通学の途中にエスタがあった。おいしい匂いが鼻をつく地下街は、いつの時代も魅力的だったのを覚えている。手軽に食べられるワンコイン飯が多いのも好きだった。Uターン移住してからは、街でお買い物をするとなると自然とエスタも周回していた。

ラーメン好きとしては、観光客じゃなくても「ら~めん共和国」にワクワクしたものだ。あとゲームセンターにも遊びに行ったし、何かにつけて困ったらロフトに行ったなあ……。

閉店であんまり感傷に浸るタイプでもないのだけれど、さすがにエスタが閉店となるとグッとくるものがある。気兼ねなく行きやすかったんだよエスタ。等身大のお買い物がしやすかったんだよエスタ。

偶然にもその閉店の日に足を運んだので、思い出を振り返りながら、ガランとした店舗をぐるりと見て回った。

さっぽろ駅は、新幹線開通のために大進化を遂げている真っ最中である。変わっていくことはさみしいけれど、閉店にならなかったらエスタを改めて振り返ることなんてなかったと思う。当たり前のとき、そのありがたさに気付かない。いっつもなんでもそう。

当たり前の間も、大切なものには感謝できる心を持っていたい。絶対変わらないものなんて、ないんだから。それこそ、さっぽろ駅みたいな生活に溶け込んだ場所だって変わっちゃうんだから。エスタだって、なくなっちゃうんだから。

ありがとう、エスタ。いまさら感謝のきもちなんて述べて非常におこがましいが、とってもワクワクする場所でした。

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