見出し画像

今日からnoteを始めます     「正解同調圧力」からの脱出

 「正解同調圧力」という言葉に強烈に向き合うことになった”あの日” 教員生活に終止符を打つ直前の定年退職が間近にせまった2018年3月17日に、私は名古屋市役所の記者会見の場にいた。前日夕方に、「元文科省事務次官の前川喜平さんを中学生への授業に招いた名古屋の校長」として、全国版の新聞、テレビニュース、SNSなどで、「文科省が教育現場に介入した」として取り上げられ、あっという間に私の名前や顔が公表された。

 私は記者会見の場で、「前川喜平さんをお招きしての公開授業は、生徒だけでなく、保護者、地域、関心のある方々にも開いた授業であり、『開かれた教育課程の一環です』」と述べた。そして、「子どもたちに主体性を育てようとするならば、私たち教職員や大人が主体性をもたなければ意味がありません」と付け加えた。全国報道中、直後も「前川さんをなぜ招いたのだ!」という電話や手紙が一気に学校にも降り注いだ。私は子ども達に「マスコミに聞かれたら、自分の頭で考えて正々堂々と言えばいい」と説明した。

 あの日を境に、世間におけるフィクションである「正解」という名の「同調圧力」から私は脱出したと言っても過言ではない。私は、退職を機に起業しフリーランスとして多様な働き方をしている。世間の当たり前と言われているような「正解」と一線を画したかもしれない。自分で自分の最適解を探り続けている。

 騒動の顛末は後述するが、その時の私の発言や行動は、何に基づいているかというと、コーチングやファシリテーションを長く学び実践する中で、常に自分の在り方を問い続け考えていたからこそ、生まれたと言える。

 あれから2年経とうとしたときに、全世界が新型コロナ禍に突入した。感染症のパンデミックは警鐘されていたが、多くの人々が「まさかこのような状況になるとは、、、」と戸惑ってしまった。誰もが「正解」を求める。メディアや人々を通じて、多様な「正解」が溢れてしまった。悪い情報は一気に拡散すると言われている。(*Mind Fullness) さらに、自粛警察という現象があちこちで発生。

 権限を持っている人の「正解」や世間の「正解」が強制されたり、人や組織に忖度したりして、不都合な結末を招いている気がする。特に立場が弱い、少数派が辛い思いをしてしまう。「日本は犯罪率は低いが、自殺率は高い」との記事をみた。その背景に、不寛容、自粛、忖度などの背景が目に浮かんだ。

 私たちの中にも、知らず知らずのうちに「正解同調圧力」を周りにかけているかもしれないと気づいた。このような時代を収束することは可能なのだろうか。私たちの誰もに潜んでいる「正解同調圧力」の正体を探り、正解同調圧力が生まれない、あるいは脱出する、知恵を探っていきたい。
 
 2年半前のあの日を境に思い始めたことを形にし、「正解同調圧力」から抜け出したいと思っている方、「正解なき時代」に生きる人々へのメッセージをこれから送り続けていこうと思った。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?