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【エッセイ】世界でたった一つのペン。

 大切な人から誕生日プレゼントとして貰った一本のボールペン。私の名前がフルネームで、ローマ字の筆記体で刻まれてる、世界でたった一つのお気に入りのペン。数年に渡って筆箱に入れてどこにでも持ち歩いていたのだけれども、現在は、部屋の中で保管してる。
 外出先で自分の不注意が祟って紛失したり、壊してしまう不安に突如襲われ、それ以降、もしもの場合に備えてきちんととっておいた方がいいと判断したためだ。普段使いしていたら確かに相応の、愛着が湧く。それに常に側にいてくれる不思議な安心もある、が、先程述べた通りの嫌な予感を現実に起こしたら、きっと、お店で頼んでる相手の姿を思い浮かべつつ、己の不甲斐なさでいっぱいになる。代えが効かないオーダーメイド品であることも慎重にさせる大きな理由だが、何よりも、受け取ったときの思い出ごと大事にしていたい、そんな気持ちが素直に働いてる。