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オンライン・ワークショップデザインの実際(その2)

2 オンラインワークショップの資料
(1) なぜ資料を作るのか
リアルワークショップをするときに、資料はどうしていますか。作らない人もいると思います。私の場合は、例えばワールドカフェをするときには、パワーポイントで作成した資料をプロジェクターでスクリーンに映しながら説明をする時に作ります。パワーポイントだけではなく、模造紙に手書きでグランドルール、スケジュールなどを書いたものを貼り出したりもしています。これも一種の資料ですね。プロジェクターでは、通常では、同じものだけを映すことはしません。説明やワークとともに、映すものも変わっていきます。ところがそれでは困ることが出てきます。グランドルールやスケジュールのように、参加者が確認したいと思うときにいつでも見ることができる方がいいものは、常に参加者の目に触れている方がいいのです。その方が、時間管理もうまくいくし、グランドルールも守ってもらいやすいのです。そこで、手書きの資料を壁に貼っておく、というのが私流です。手元に資料を配ると、参加者はすぐに手元を見てしまうので、資料はできるだけ配りたくありません。ファシリテーターとともにワークショップの流れに身を任せて欲しいからです。
では、オンラインの場合はどうしたらいいでしょうか。まさか、みんなの部屋に描いて貼っておいて、とは言えません。

では、オンラインワークショップの場合の資料は作る方がいいのか、それとも不要なのか。作るならばどのようなものを作るのがいいのか。ワークショップによって多少の違いはあると思いますが、私はオンラインの方が資料の効果は大きいと思っています。
どのような資料を作っているのかは実際の資料を後でご紹介します。
まず、オンラインではリアルの時よりも懇切丁寧な資料を作ることを心がけています。
それはなぜか。オンラインワークショップでは、ファシリテーターが話す量が非常に多いように感じるからです。ファシリテーターは、できるだけ話す量を少なくしたいものです。できれば、最初の説明以外ほとんど喋りたくないくらいです。その方が参加者の参加意識が高まるからです。ファシリテーターが話せば話すほど、その場は参加者を置き去りにするのです。ファシリテーターが話さなくても、参加者が理解できるようにする、そのための資料作りです。

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