見出し画像

山形コロナ第五波から見えた光~ワクチンの効果と感染症類型~

10月発行予定の県政報告原稿から

 現在(9/12原稿)、山形県では新型コロナウィルス感染の第五波が終息に向かいつつあります。一ヶ月半の短期間に全体の三分の一にあたる感染者が出ました。一方で、この第五波は高齢者へのワクチン接種が進んでから訪れたものでもあります。
 一見ワクチンの効果がなかったようにも見えますが、データを分析するとワクチンの効果が絶大です。全体の八割の方が接種を終える目標の十一月には、コロナを「克服」できる光が見えてきましたので、ご報告します。

県の感染とワクチン接種の状況
 知事は感染防止の「特別集中期間」を三日間延長しましたが、一日の感染者が一桁という目標は実はあまり根拠がありません。国の基準では、直近一週間の新規感染者が十万人あたりで十五人以上、がレベル三で、山形県はそれを下回っており、秋田・長野とともに全国でも三県しかない低い数値です。県民の努力により感染防止はかなり上手くいっています。
 ワクチン接種は、二回接種が全世代で55%を超え、全国4位となっており、特に65歳以上の二回接種は約92%で全国1位、ほぼ完了した状況です。
ただ、接種の進行具合は、市町村によりバラツキがあります。天童や東根のように人口が多い市は遅れる傾向にあります。キャンセルなどの諸事情により、一日1000回分のワクチンを接種し終える難しさに比べ、100回分完了の方が簡単だという理屈によります。少ない人口の市町村ほど早く進み、在庫がなくなるために新たなワクチンが供給される、という事情で差が出てしまいました。
 山形市に関しては、山大附属病院が協力しての大規模接種ができた、という特殊事情により進んだものです。どうしても隣の市と比べてしまいますが、これまでは国が直接供給していたものを、九月以降は県が配分する体制に変わっているので、接種が遅い市に重点配分が行われています。数週間の違いはあれ、いずれ近いうちに接種できますので、焦らずにお待ち下さい。全力でワクチン接種に努めていきます。

山形第五波の分析~重症化と致死率~
 昨年三月から一年半の県内感染者総数は約3400人(県人口の0.0032%、1000人に3人)、そのうち重症化した方と亡くなった方はあわせて103人、感染者の約3%です。亡くなった方は53人であり、いわゆる致死率は約1.5%となります。全国での致死率は0.3%以下ですから高いようにも見えますが、感染者の総数が少なく、高齢者がかかる割合が他県に比べて高いからであり、感染防止がうまくいっている証拠とも言えます。亡くなった方の大半は高齢者の方で、延命治療ができない状況だった方も多くいます。
 そこで第五波に注目すると、七月末からの一ヶ月半で約1200人の方が感染し、全体の1/3を占めます。その中で亡くなった方は5人です。致死率は0.004%であり、致死率が激減していることがわかります。この中にワクチン二回接種を完了させている人はいません。ワクチン二回接種しても感染した方は、第五波期間中10人ほどでわずか1%にすぎません。しかも、全員が重症化せず、高齢者の方でも無症状の方もいます。つまりワクチンは、致死率を激減させ、感染拡大を止め、重症化を防ぐ、絶大な効果があるとわかります。

感染症類型の引き下げ
 たとえわずかだからといって、たとえ高齢者だからといって、失われていい命はありません。しかし、残念ながらコロナをゼロにすることはできません。交通事故で、年間約4000人が負傷し、30~40人の方が県内で亡くなっています。ほぼコロナと同じですが、でかけるな車に乗るなとは言いません。インフルエンザもしかりです。ゼロにする努力は必要ですが、ゼロを無理に目指すことで、経済的ダメージによる犠牲が大きくなってしまいます。子どもたちの自殺相談も増えているそうで心配です。
 現在、新型コロナウイルスは感染症類型の2類相当となっています。これは、ジフテリアや鳥インフルエンザなどと同等の、かなり危険なレベルに位置します。そのために、基本的には入院で隔離し、感染者の数が公表され、保健所が濃厚接触者を調査して感染拡大を防ぎ、特別な病院でしか対応できない、という現状を招いています。これが例えば5類まで下がれば、かかりつけの病院で診察を受け、軽症者は自宅療養ということになります。医療の逼迫や保健所の疲弊がかなり軽減され、公表もされないために誹謗中傷もなくなるでしょう。
 それがコロナを「克服」する日だと考えます。
 そのためには致死率がインフルエンザのようにかなり低くならなければなりません。ほとんど亡くなる方がいないので「かかってもいい病」となれば、感染拡大を今ほど厳密に防がなくてもよくなります。それが感染症類型の引き下げです。そのためにワクチンが有効であり、致死率が激減していることを述べました。抗体カクテル療法という治療法にも期待できます。
 あと一ヶ月から二ヶ月でワクチンが相当に社会に浸透すれば、光が見えてきます。九月議会では飲食業や観光業を中心に支援策が多く議論されます。なんとか現状を乗り切り、その日を迎えられるよう、全力で頑張っていきたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?