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海外発送ってどうやるの? キックスターターでボードゲームを数百個、海外発送したやり方を解説

こんにちは、ボードゲームを作っています、ヤブウチリョウコです。

「ゆらゆらペンギン」「ゆらゆらペンギンミニ」というボードゲームのキックスタータープロジェクトで、リワード(クラウドファンディングの返礼品)として、せっせと箱詰めして海外にそれぞれ600件以上、合計で1300個くらいでしょうか、ボードゲームの発送を行いました。
たまにご質問をいただくので、これから海外発送の予定がある方に向けて、ゆらゆらペンギンの場合はこうしました、というまとめnoteです。
書き始めたら思った以上に長くなってしまいましたが、参考になれば幸いです。

ちなみにキックスタータープロジェクトはこちら↓

海外配送のプロというわけでもない素人ではありますが、個人でボードゲームをたくさん送るまとめは見たことがなく、私も実際にやる前は調べても出てこない!と情報不足に困ったので、参考になれば幸いです。
もちろんやり方はもっとあると思いますし、そもそも自力で発送するのは結構大変なので、クラウドファンディング企画時点で配送は専門の会社にお願いするというのも大いにありかと思います。あくまでも私が送った際の経験をシェアしよう!という気持ちです。


▼発送方法

基本は日本郵便の小形包装物(スモールパケット)
可能なら航空便、船便しかない場合は船便
で送っています。
追跡はあったりなかったりです。
スモールパケットは書留をつけることで追跡できます。
本当はすべてに追跡をつけたいのですが、コロナによる国際配送の混乱と、ウクライナ情勢の影響により、今は追跡が使用できない宛先国も多いです。
船便の小形包装物(スモールパケット)は書留をつけることができず、追跡ができません。
一番は着荷確認+送料の安いSAL便のeパケットライトで送りたいのですが、SAL便(エコノミー便)というカテゴリが休止中なので無理でした…

スモールパケットは普通郵便と同じような扱い(手紙やはがきなどと同じ郵便物)なので、自分で荷造りして宛名ラベルを作成し、郵便局の受付に持っていきます。集荷はありません。
EMSという送り方にすると、集荷があります。が、EMSはうっかりするとゲーム本体より送料が高くなるので基本はスモールパケットで送っています。

ちなみに追跡が無くて紛失は無いのか?というのがものすごく心配だったのですが、キックスターター1回目のゆらゆらペンギン発送の600個以上の発送では、遅延は多発したのですが、最終的には紛失は無かったと思います(届いていないのに連絡が無い場合は把握できていませんが…)
何件か、理由は様々ですが返送されてきたものはありました。その場合は個別にメッセージを送って住所などを確認し、再送しています。幸い再返送はありませんでした。
※ゆらゆらペンギンミニについてはまだ配送の途中です。船便は時間がかかりますね…
※追記:ゆらゆらペンギンミニで、追跡なしでブラジルに送った分は届かなかったという連絡があり、追跡できる書留をつけて再送しました。ブラジル宛は追跡をつけた方が良いようです。

日本郵便の国際郵便のページはこちら
https://www.post.japanpost.jp/int/index.html

宛先ラベルの作成は、このページ↑からリンクのあるオンラインシッピングツールを使っています。

100件以上発送する場合は、事前に、この国際郵便のオンラインシッピングツールで法人アカウント(という名前ですが個人でも作ってよい)を作っておき、郵便局にオンラインで問い合わせして、海外発送の際で大口機能が使えるようにしてもらうことをお勧めします。エクセルのリストを読み込んで宛先を読み込むことができるようになります。印刷は1件ずつちまちまボタンを押していくことになるのですが、内容品の入力などを個別にしなくて済むのでだいぶマシになります。今は、スモールパケットは船便でしか送れないところが多くて大変です。
何が大変かと言うと、梱包を頑丈にしたり(私はジップ袋に入れて、箱の外もプチプチで覆っています)届くまで半年くらいかかることがある上に追跡もできないので、「私の荷物どうなってるの?」と言う問い合わせに対してできることがほとんどなく辛いものがあります。
問い合わせがあったら、郵便局からの遅延情報を調べて共有したり、都度できるだけ対応しますが、その国宛の物が全て遅れている場合はもう少しお待ちいただくようお願いしています。

たまにリクエストに応じて、追加送料をもらってヤマト国際宅急便で送ったり、EMSで送ることもあります。追加送料はペイパルでいただいたこともありますが、海外対応している自分のオンラインショップで臨時アイテムを作って買ってもらうことが多いです。キックスターターのキャンペーン中に用意するなら、アドオンとして用意できるのかもしれませんが、やったことはありません。国毎に手段や送料が違うので難しそうですね。

ちなみに、キックスターターではよくプレッジマネージャーというものが使われますが、私は外部のプレッジマネージャーは使っておらず、キックスターターのリワードサーベイを利用しました。
プレッジマネージャーというのは、キックスターターのプロジェクト期間の後に、別途送料を回収したり、追加でアドオンできたりするキックスターターとは別のサービス…と認識しています。が、基本全て英語なので、利用規約等を読み込むのが大変だなあ…と思い、使っていません。
しかし今は送料も値上がりしがちなので、使ったほうが良いのかもしれません………とりあえず使っていないので、詳しくはご紹介できないのでした。

▼経費

送料

これは郵便局のサイトでご確認ください。重さや宛先によってかなり違います。そして最近たびたび値上がりしていますのでご注意ください。
重さはゲームを箱詰めした状態で、緩衝材やお礼のお手紙などもあるならそれも込みで余裕を持って設定しないとすぐに超えてくるのでお気をつけて…!

段ボール箱

私は下記の段ボールで送りました。硬くてよい感じでした。

▼アドオンがある場合、これに入れています

▼ゆらゆらペンギン1つの場合のピッタリサイズ

プチプチ袋に入れてから箱に入れて送っています。

まわしものではないですが、いろんなダンボールを試した結果、ここのダンボールは硬くて安心感がありました。

航空便の場合はこんな感じです。


船便の場合は、箱の外側もさらにプチプチ袋に入れたりしています。
結構大変なのですが、2~3か月コンテナの中に入っている&ポイポイ投げられて配達されると思うと少しでも無事に届くように…!という感じです。

小さいサイズのものは、ゲームをプチプチ袋に入れて、ダンボール箱に入れ、さらにプチプチ付きの封筒に入れました。
小さすぎると行方不明になるのでは…?という恐れと、箱だと積まれますが、袋入りだと積めないので、積まれてつぶれるのを回避できるのではないかな?と思いまして。防水のプチプチ袋を買ったつもりがうっかり間違いで紙プチプチ袋だったので上から十字にOPPテープを巻いたりして時間がかかりました…なぜ間違えたんだ…雨や湿気対策に防水が良いと思います…
まあ、船便の場合はこの内側に入れたダンボール箱ごとジップ袋に入れたので、湿気は大丈夫なはず!と思っています。

返送されて、海外に行って帰ってきても特に重大なダメージは受けていませんでした。

返送されてきたゲームを開けてみよう
そんなに潰れてない!
中身は無事でした


緩衝材

プチプチ、切る時間を短縮するためにここでオリジナルプチプチ袋作ったりしました。サイズ合うものがある場合はそれを使ったり。
すこしでも時短です!

ピッタリサイズの袋があるとラッキーです

・隙間には下記の緩衝材も詰めています。家で作れるバブルピロー、バブルラップです。うっかり機械を買ってしまいました…航空便は重さで値段がかなり違うので緩衝材も軽いほうが良いです。コスパは…どうだろう…??
とりあえず空気を入れるまでは場所を取らないので助かります。

・梱包の人件費は自分で頑張る分にはさておき…(???)

梱包お勧めグッズ
大量に梱包するときに助かったアイテムです。

このテープがなくなって、届くまで急遽別のテープを使ったのですが、厚みの違いに驚きました。3Mのテープ、しっかりしていて安心感ある~!

あとテープカッターが地味に便利です。うちに2個あります…

あと、これも。テープカッターしっかりしていると安心感とスピードが違う!うっかり手を切らないようご注意ください…(経験者談)

その他

・実際には数件ですが、返送されてきた場合にもう一度送ることを想定しておくこと
・どうにも郵便局から送れない場合、個別にヤマト国際宅急便などを案内して、輸送手段の回復まで待つか、必要に応じて追加送料をお願いしています。
・「ゆらゆらペンギンミニ」については、国際配送遅延のためまだ船便はほとんど到着していません。3月半ばに送った荷物が、6月になってやっと届きつつあるという感じです。3月末に送ったものはまだ届いていないようです。結果がわかったらまたこのnoteを更新しようかなと思います。

▼発送作業にかかる時間

発送用のアイテムが全てそろった状態で、日中数時間を発送に使える前提で、私がほぼ1人で行った場合です。(たまに家族に手伝ってもらったりしています&それ以外の作業をしていることもありますが…)

宛先ラベルの入力・印刷・確認・署名

200件分で半日〜1日くらい、いやもっとかかっているかもしれません…
すでに整理してある宛先リストをオンラインシッピングツールに読み込んで、印刷・確認・署名だけなら100件~200件で半日~1日くらいです。

先に宛先リストを作ります。
キックスターターから取得する配送リストの整理と把握、宛先リスト化に1日はかかっている…いや2〜3日かかっているかもしれません…(それだけやっているわけではないですが)

宛先国のちがい、リワードごと、またアドオンの有無とその内容と数を把握して国際郵便のオンラインシッピングツールに読み込める形式のリストを作成します。

宛先ラベル作成時のデータには、それぞれの内容物やその重さや価格も記載する必要があります。また今は、航空便で送れる場合と船便しかない場合があるため、国毎に確認が必要です。船便の場合は梱包を頑丈にしているため、その分追加重量が発生したりしてリストにも反映させています。

最終的にこんな感じで大量の宛先ラベルを印刷します。

これはですね、1枚ずつ印刷ボタンを押して、A4に印刷し、PDFを保存し、A4の紙の下部分が不要なので切り取り、差し出す日の日付と名前をサインする必要があります……手が、手があぁぁ

宛先ラベルは、郵便局でもらえるこのパウチに入れます。

パウチは郵便局の窓口でもらいます

このパウチと宛先ラベル自体の重さは送料には含まれないので、重さを測る時に取り外せるように貼り付けずに持っていっています。中身が決まっている時は、どれがどれかわかるようにラベルに輪ゴムやマスキングテープで仮止めしたりしています。

梱包そのものにかかる時間

これは、内容によってかなりまちまちな気がします。
アドオンでいろんなものを追加できるようにしておくと、発送する内容が違うため、個別作業が必要になります。
それを確認しながらだと一日50個くらいでしょうか…
中身が違うと宛先を間違えないように送らなければならないので、チェックやラベル作成の手間も増えます。中身が違うものの梱包後にどれがどれだか分からなくならないように、先にラベルを作っておいて箱に仮止めしています。

一つのゲームをひたすら梱包するだけなら一日100〜200個くらいはできている気もしますが、私は家で作業しているので本当に家が埋まります。そのため、ある程度の数が出来次第、郵便局に持っていきます。リワードの種類ごとに出すことが多く、10~20個くらいから最大260個くらいでしょうか…郵便局の人にやたら海外宛をもちこむ人として「次はいつ来ますか」「今日は何個ですか」と確認されたことが思い出されます。いつもお世話になっております。ありがとうございます。

詰みすぎ感はあります
プチプチ袋に入れてます
航空便は外側はダンボールのままです

EMSは集荷してくれるのですが、スモールパケットは集荷がありません。自力で郵便局に持ち込む必要があります。
ローカル郵便局だとかなり時間がかかり、他の人を待たせたりしてしまうため、その地方の大きい郵便局に持ち込むのがおすすめです。

私は諸々合わせて、土日は休みつつですが、600件発送するのに3週間くらいはかかっている気がしますね…。

失敗・苦労したことなど

個人的には郵便局に持って行くのが結構大変です。

そして、失敗談としては、うっかりエクセルで宛先リストを作った結果、テキトーに伸ばした自分の住所の末尾の 3 などの数字の部分がエクセルの機能で 最終的に4・5・6・・・・113…などと伸びてしまったまま存在しない住所で送ってしまったことですね!自分の住所がまさか間違っているとは思わず確認不足でした…
自分の住所は返送時にしか使用されないので、最寄りの集荷郵便局に報告して、もし返送されてきた場合には対応してもらえるようお願いしたりしました。

ついでに、キックスターターのファイルをエクセルで普通に開くと初めが「0」で始まる郵便番号や電話番号の0が消えます。データで開かなくてはいけません!皆さん気を付けて!(経験者談)

それから、個人的な感想ですが、大口機能を使って郵便局のオンラインシッピングツール(WEB上で宛先ラベルを作る郵便局のツール)用の宛先リストをつくるのが結構大変です。
※もちろん個々に600件以上を入力するよりははるかにマシですが…

例えば、航空便は「1」船便は「2」と書かないといけない箇所があったりします。まず、そのリストのフォーマット内にはそこに何を書く必要があるのかの記載はありません。別途その項目が何なのかを記載している郵便局のPDFを読み解きながら「あ、この欄は航空便なら1と書くのか~」と見比べながら記載していきます。そんな感じの項目が多数あります。
ついでに、今は航空便で送れる宛先国と船便しかない宛先国、送る手段が全くない場合すらあるので、国ごとに調べながら記入していきます。現在のコロナと国際情勢の影響で割と頻繁に送れなくなることもあるため、都度確認が必要です。

あとは……オンラインシッピングツールで印刷した宛先ラベルは面倒ですが印刷時にPDFも保管しています。
なぜかというと、ラベルの印刷ページを一度閉じてしまうと、もう宛先ラベルを再印刷できないからです…!!大量に印刷していると、たまーに紙が2重になって印刷が切れてしまったり等印刷に失敗する時があります。ごくごくたまーにですが。
そんなとき、そのページを閉じてしまっていたら、もう一度、ラベル登録から始めなければならないのです…一応、すでに印刷したものを別ラベルとして作成する、という機能はあるのですが、もうそれすらも面倒ですし、発送後、何かあったときにデータとして探せるというのもあります。

現在、船便でしか送れない国がかなりあります。
もしこれからキックスタータープロジェクトで、自力で海外配送をする方はキックスターターで一番多いアメリカ、そしてカナダやオーストラリアにイギリスやフランス、イタリアがスモールパケットが現在船便しかない(最悪半年かかる・追跡がない・梱包を厳重にする必要がある)ので、他の手段を提案してみるのもよいかもしれません。ヤマトの国際宅急便やEMSは追跡もあり安心です。送料は郵便と比べると高いですが。
自社で輸送用の航空機があるDHLやフェデックスは、個人で送ろうとすると絶対無理すぎる送料ですが、企業として契約したり、または海外発送も可能なフルフィルメントや倉庫サービスを利用するとかなりマシな送料になるようです。使ったことはないので詳しくご紹介できませんが。
または、基本が船便で半年かかります!と初めに明記しておくとかでしょうか。そして届くまでに半年かかるという前提で、思い切り発送予定を伸ばしておく、とかですかね。


おまけ

もし外部の配送サービスをお願いしたらどうなるのかな?と、見積もりをとったりもしてみたのですが、当たり前ですが、自力で送るよりは送料が高くなります。手数料分が増えます、それはそうだ。とはいえ、自力で送る限界を突破したらお願いするしかないのではとも思うので、想定しておいたほうが良いんだろうなとは思っています…が…
(個人的な感想としては海外に1000個送るようになったら一人ではつらそうだな…と思っています…)

国内の配送サービス

利用してはいないのですが、いくつか国内の配送サービスも調べました。 
とはいえ利用していないのでご紹介はできませんが、DHLやフェデックスの送料が個人で利用するよりも格段にマシになるので、検討中ではあります。追跡のある航空便、早くて安心ですよね。

海外の配送サービス
キックスターターで、このページにフルフィルメントサービスが紹介されていますね。

少し見積もりもお願いしてみたのですが、今はそもそも、日本から海外倉庫にまとめて送ることすら大変では…?と思ったのでやめました。
私の場合は、最終的に日本で組み立てをしているので、日本から発送することになります。例えば日本にあるゲーム600個を海外のフルフィルメント倉庫に送って、そこで梱包してもらって、アドオン等も対応してもらって、さらにそこから各バッカーへの配送料が必要で…となると、もう無理だなという感じでした。ゲームより送料が高くなりそうです。例えばゆらゆらペンギンミニはミニサイズで、小さい箱で、1980円なのに!同じくらいの送料なんて無茶な!

もっとゲーム本体が高かったり、または中国などで最終的に完成している場合は、その国にあるフルフィルメントサービスを利用してバッカーに直接送るほうが送料がマシな場合も結構あるかなと思うので、生産拠点やゲームの価格によっても検討しどころかなと思います。

というわけで、海外発送について、私にわかる範囲で記載してみました。
ゆらゆらペンギンミニの船便が無事に届いたことが確認出来たらまた更新したいと思います。

ちなみに、ゆらゆらペンギンとゆらゆらペンギンミニは、日本ではAmazon他、お取り扱いのある店舗様で好評発売中です!

日本国内の配送!安心感がすごい!!


このnoteが役立った!という方はぜひ、ゆらゆらペンギンで遊んでみてください!
ゆらゆらペンギンは カードゲーム×バランスゲーム!大人と子供、初心者と上級者が一緒にワイワイたのしいゲームです。

皆様にゲームを楽しんでいただけると嬉しいです。
それではまた!


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