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僕は全部知ってる
彼女の事を問題にされたら絶対に負けない自信はある。
猫より犬派だってことも、高校の部活が辛くて影で泣いていたことも、お母さんよりお父さんの方が好きってことも、落ちてるゴミを拾ってポケットにしまうことも、倒れてる自転車を小さな体と細い腕で立たせてあげることも、生きていることが辛くて死にたいと思ってることも。
僕は全部知ってる。彼女の事なら全部知ってる。難しい経済の仕組みとか物理の化学式とかは全然わからないけれど、彼女の事なら全部知ってる。
彼女には幸せになってほしい。神様がいるのなら何を差し出してでもこの願いを叶えてもらいたい。
どうか今を楽しく生きてほしい。僕は彼女と出会えて本当に幸せだ。彼女はきっとお世辞でも健康体とは言い難いが、僕はどんな君でも好きだし、支えていくつもりだ。
「可愛い?」って言ってくれば、何度だって言ってやるんだ。
「可愛いよ。世界一ね、いや、宇宙一だな。」
って。
彼女は何食わぬ顔で「ありがと。」って言うがその仮面の裏はきっと満面の笑みだ。
好きすぎるせいか、ある事ない事考えてしまうのは僕の悪い癖だね。きっとこれには彼女も頭を抱えていると思う。もう寂しさを他の何かで埋めるのはやめよう。
寂しい時は寂しいと彼女に言おう。
今度あったら力強く抱きしめよう。
僕は全部知ってるよ。
大好きな友達と遊ぶ前の日は楽しみすぎて寝れないことも、ご飯を食べてる時の幸せそうなあの顔も、プレゼントをあげたときの出る美しい涙も、実家の犬の写真を会いたそうに見つめる君の横顔も、僕は全部知ってるよ。
今度会えたら全部伝えよう。
今度空の上で、彼女を幸せにしよう。