見出し画像

PPP的関心【まちづくりビジネスとお金について。地域金融機関の動き】

今週は少しバタバタしてしまい月曜日の更新ができませんでした。せっかく続けている連続投稿を途切らせてしまうのはとても悔しい気持ちになる以外に何もないので、ちょっと踏ん張って投稿できてよかったです。
写真は本文とは全く関係ないですが随分前のNY視察での1カット。。。

地域金融機関が地元を元気にする取り組みの数々

少し前の7月15日の記事に「地域資源を再生しようと試行錯誤する地銀の姿を追う」という記事がありました。

#日経COMEMO   #NIKKEI

地銀、危機の観光再生に挑む ホテル買収や行員派遣
廃校舎は地域の宝 地銀発のリノベーション続々
地銀、試される目利き力 斜陽産業や破綻企業にも光

記事より

といったタイトルで地銀が直接あるいは参加のファンドやコンサルティングサービスを通じて地域企業の事業承継や事業再生にハンズオン型で取り組む事例が示されています。

改めて試される金融の役割

そもそも銀行による事業への「融資」の原資は預金であることから「長期」の資金を供給するにあたってリスクヘッジの観点で制約があることや、まちづくりビジネスのような比較的小規模な事業に適した資金調達手法としてのクラウドファンディングなど新しい資金調達方法の認知拡大に伴う資金調達手法の多様化によって、起業や事業拡大を考える事業者が資金を必要としたときに求められる金融機関の役割や提供機能は「絶対的な」存在であるとも言えなくなっていると思います。
注)もちろん。実際には地域の事業者にとって地元銀行の存在は大変大きく頼るべきものであり、あくまでも資金調達の選択肢が増えた中での相対的な環境変化を捉えたという観点での言及ですが。

金融機関を使いこなす事業者。
まちづくり会社にCFO的な存在は必須

一方でまちづくりビジネスの取り組み事例を出来るだけ一般化し再現性を高めるにはどうすれば良いか、という目線で各地の取り組みを見てきた目線から考えると、志ありきとかやる気ありきのプレイヤーに欠けているも要素の例として多いのが事業計画の精密さやリアリティ、説明責任です。

こうした現状を補うためには、合理的な収支計画やコスト試算を行うことはもちろん、例えば調達コストにおいて合理的な資金調達手法の組み合わせを考えたり、収益計画に見合った返済手法の検討や交渉といった計画を練ったりできる、また時には多少非合理な組み合わせでも事業の将来に理解や共感を示す「こころざし資金」を集めることを優先する…といった計画を率いるCFO的な役割を担う仲間の存在が重要になってくると思います。

こうした役割を持つメンバーの確保においては、もしかすると地域事業者に伴走する支援組織のようなところに金融機関のメンバーが出向いてその役割を担うことなども地域によっては現実的な選択かもしれません。

パッションと合理性を繋ぐ金融は始まっている?

記事の事例にあるように、融資という一本足打法ではなく時にハンズオンで伴走して(あるいは事業の中に入って)事業を推進することやファンド等を通じてその事業に対する関心を高め、さらには新たなステイクホルダーを巻き込む(単純に調達コストの高低だけではなくその事業への関心を高めるという意味で)などの取り組み方で事業者の志を支えている事例はまさに一本足打法からの脱却、大きな役割・機能の変化が既に具体化しているのだなと関心を持って読みました。
一方で、金融経験者が自ら事業に乗り出すという事例については逆に「志」だけで大丈夫?という矛盾も感じる所もありましたが、推進者が他にいないのれあればそれもまたリスクをとった行動ということかもしれません。

改めていろいろ考えてみて、高い熱量を持って新規事業や規模や領域の拡大に挑戦しようとする事業者のパッションを尊重しながら、冷静な目線で計画への目利きを与えることができるのは金融機関の経験や能力を持っていることにアドバンテージがあると改めて再確認しました。

とりとめもない話でしたが、まちづくりビジネスは「事業」である以上お金の話は切り離せません。
引き続きこうした観点での情報収集は是非とも続けていきたいと思います。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?