別れて得られたもの
Twitterでも書いているように、別れたのでそれについて振り返ろうかと思う。
私目線からの話
オーストラリアと日本。
全く国境がオープンになる目処も立たず。
今年の春くらいは、なんとか頑張って乗り越えよう。
そう本気で思ってた。
でも、気づいたら私たちはもう自分たちでは後戻りができないくらい、二人の人生の歯車は狂ってしまっていた。
それは、「彼と結婚」したいと思っていた私には耐え難いことだったし、その現実を受け入れるのに随分と時間を要した。
その間、ずっと「頑張ろう」と決めては「やっぱりダメだ」の繰り返し。
シーソーの両極端にある「続ける」と「別れる」のどちらか一方の選択肢に傾くと、なぜか心に波風が立つような出来事があって、せっかく決めた決定もまた振り出しに戻る。これを幾度となく繰り返した数ヶ月。
「どっちが正解?」「本当は頑張りたい」「でもこのままじゃいけない」とぐるぐると考えながら、過ごしていた。
自分の人生どうなるんだろうと不安でいっぱいだった。
目の前が何も見えない。すごく深い霧の中に入り込んでしまって、一歩足を踏み出すことさえも怖い、そんな感覚だった。
そして気づけば、8月ももう終わろうとしていた。
ある日突然、私の中で何かが壊れた。
少しずつ、でも確実に、今まで積み上げてきたものが、ぼろぼろと足元から全て崩れ去っていった。
最初の傷は本当に些細なことだった。
9月のシフトが発表され、連休が全くなかったこと。(今思うと本当にしょうもない笑)
しかも、私だけ。笑 他の人は4連休・3連休が3回くらいあるのに
私だけ連休0回。
そのシフトを見た途端、「なんで私だけ頑張らないといけないんだろう」と頑張っていた糸が、プツンと切れてしまった。(みなさん交代制ではたらいているし、私だけ頑張っているわけではないのは重々承知してます。でもその時の精神状態的にそう思っただけ)
「なんで私だけが頑張らないといけないんだろう」
これがキーワードだった。仕事でそう感じる出来事があったけど、随分前から心の中でそう言う感情を抱き続けていて、それがシフト事件で刺激されたんだと思う。
あの当時は何がきっかけで、一気にバランスを失ったんだろうと、自分でもわからなかった。
でも今思い返すと、本当にそれが原因な気がする。
シフトで私だけ連休がないことで、私の人生はいつまでも誰かに支配されていて
いつまで経っても、自分の好きなように生きられない。というある種の思い込み、信念、価値観が刺激された。
自分で自分の人生を動かせないことへのストレスが大爆発してしまった。
そして恋愛でも、無意識のうちに私だけが頑張ってない??って思っていたんだと思う。
それに気づいてしまってから、もうあっという間に、今まで登ってきた階段から転げ落ちてしまった。
息してるのも、歩くのも、起きてるのもしんどい。大袈裟に聞こえるかもしれないけど、本当にそうだった。
仕事も行きたくない。何もしたくない。
今はここにいたくない。消えたい。全部消したい。0にしたい。
せっかく乗っていた「続ける」「別れる」シーソーも土台から折れた。そんな感じ。
ここまで追い詰められてようやく、「逃げていないで決めないと。潮時なんだな。」と感じた。
目を逸らしていたけど、「なに」が一番私の負荷になっているのか、自分が一番よくわかっていた。
それはやっぱり、彼との関係だった。
「彼」という人間は本当に心から好きだった。
でも、この遠距離ではどうしても解決できない問題があった。
それについて、幾度となく話し合ってきた。その度に彼は頑張ってくれようとしていた。でも、やはり時が経てば繰り返される。遠距離を続ける以上、避けては通れない道で、そこを克服できなかった。
そして次々に起こる体調不良の時、頼れなかったことで私の心は限界をとうに超えていた。
彼目線からみた話
会えなかったことで「情熱」を注げなかったんだって。
これだけ見ると凄くひどいなって思うかもしれない。
でも、その事実と一番戦っていたのは彼自身だった。
薄れていく、付き合っている実感。
会えない寂しさや孤独。
海外の地で、職場や知り合いの人々や、公的な書類等で幾度となく確認されるステータス 「既婚、未婚、家族あり、なし」
駐在員で単身の孤独さ
実感が持てないことで、求められていることに対して行動に移せない自分への苛立ちや情けなさ。
帰国できる目処、会える目処が立たない絶望感。
彼の中では会うこと一番大切なことだったけど、それができない辛さ
私の体調が悪い時に何もできない無力さ、やるせなさ
彼は自分ができていないことも、自分が全面的に悪いことも全部わかっていて。そこで彼は彼自身と戦っていた。
でも会えない以上、自分の気持ちを保ち続けることにも限界を感じ、葛藤していた。
頭ではわかっているのに、心がついていかない状態が彼を苦しめていた。
付き合っている途中で、彼は口に出さなかったけれど、相当寂しい思いや孤独と戦っていたんだと知った。
気持ちは追いついていないのに、私からは将来の話をされる。
苦しかっただろうなって、別れ話中に思った。
今思うのは、
私たちはどちらも悪くなかった。
ただ、あの時そうなる運命だったのかなって気がする。
多分私の状況を詳しく知っている人なら、
いやいや彼氏が悪いでしょ!笑って思うかもしれない。笑
でも庇うとかではなくて、
私も私なりに一生懸命考えて苦しんでいたし、
それと同じように、
彼も彼なりに一緒懸命考えて苦しんでいて。
あの時は、離れることがお互いにとってベストであったと、今は胸を張って言える。
彼がとった行動で私が傷ついたように
私がとった行動で彼が傷ついていた。
お互い意図せずに、「付き合っている」というステータスがあるが故に、傷つけられ、傷つけていた。しかも、言葉の暴力や相手を否定する言葉もないのにね。求めていることに沿えない、答えられないことは、こんなにも人を苦しめるんだなと知った。
お互い嫌い合っているわけではなかったから
今は離れた方がいいね。って言う表現がすごくしっくりする。
別れ話で、彼が泣いているのを初めて見た。
やっとここにきて心から繋がれたなって思えた。
目は口ほどに物を言うというけど、
彼の目は後悔している、自分自身を責めている目だった。
でも、
本当に好きだったこと
付き合えて幸せだったこと
出会えてよかったこと
好きになってもらえて幸せだったこと
私も好きになれたことが幸せだったこと
たくさん成長させてもらえたこと
得るものが大きかったこと
いつでも応援していること
何があっても幸せになってほしいこと
ぜーーんぶ伝えたいことを伝えたら、
彼はそんな風に言ってもらえるなんて思ってもなかったから驚いたと言われた。
彼の目に宿る自分を責めるような影や表情は無くなって、ほっとした。
話の最後には
日本に帰る時は連絡させてほしい
私がオーストラリアに行く時や仕事を変える時、教えてほしい
と言われた。
いつか会うかどうかはわからない、決めてない。
それはその時に考えようと思う。今から先のことを考え過ぎると、またそれに縛られ、それに頼り縋り、自分軸や自分の人生を歩めなくなるから。
それはまた執着になってしまうから。
いつか縁があったら、また会うかもしれない。
でもその言葉に寄りかからず、
今はまず、自分を見つめ直していきたい。
今でも、彼のことをふと思い出す。
でもそれが、辛くて、苦しくて、自分の一部を失ったかのような喪失感や、人生のどん底にいるかのような感覚はまるでなくて。
どこか優しい気持ちになれて、
懐かしく、清々しさの方が強い。
心が満ちていて、何かが足りないという焦燥感はない。
離れているはずなのに、一人ぼっちの孤独感はなくて、どこかでふんわり繋がってる感じ。
この失恋で何かを失ったんじゃなくて、何かが私の穴を埋めた気がする。それはまだ言語化できるほど、明確にはなってないけど。この経験の何かが、私に空いていた穴を埋めたことは確か。
いくつか前の記事で、何かを手放すことで何かを手に入れる。と書いたけど。
本当にそうだと思う。間違ってなかった。
今までの人生を振り返ると、失恋後にこんなに早く立ち直ることなんてなかった。
大抵は、自己肯定感底辺まで突き落とされて
永遠に自己否定のループにハマり、
抜け出すまでにかなりの時間と労力をかけていた。
私はなにしてもだめ。誰にもわかってもらえない。
何も上手にやれる自信なんてない。
そう思い、さらに自分自身を傷つけていた。
それが今回は2週間ほどで、失恋によるダメージはかなり回復している。
別れたことをこんな肯定的に捉えている自分に驚く。
今回思ったのは、
別れること=悪いこと、ダメなこと、自分に落ち度があること
ではない。これは確実に言える。
別れるのにはそれぞれ理由があって、
幸せになるために、自分の人生を歩むために
皆そういう決断を下しているだけなんだなと
本当に思えるようになった。
一つの恋愛でこんなに色んなことを考えたり、変われるきっかけをくれた彼には、本当に感謝しかなくて。
起きることからは、何かしら学べることがある。
学ぶ必要があることが、起きているとも言えるのかなと言う気がする。
世の中の動き
私たちが別れてから、思いがけないスピードで世の中は動き出した。
オーストラリアのワクチン接種、帰国者の自宅隔離トライアル、留学生受け入れ再開プランの噂、年末までには国境オープンなど、1年以上待ち焦がれた情報たち。
たまに、もしまだ付き合っていたら、、、
と思う時がある。
あの付き合っていた当時より、今の方が未来は明るく、今は離れている方が正解だとやっぱり思う。
いつかまた会うかもしれないし
会わないかもしれない。
どちらにせよ、私は今の自分一人だけの贅沢な時間を心から楽しもうと思う。
おしまい。
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