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世の中、ないものねだり

「タッタッタ…」スマホを打つ指が軽快に走る。好きなもの・ハマったものは、Instagramのストーリーズにアップしてしまう。「投稿」をタップすると、自身のアイコンがくるくるとまわり、止まればアップロード完了。

最近、とある起業系のYouTubeチャンネルにハマっていることを、ついついシェアしたくなった僕はSeason 2を見終えたあたりですぐにシェアした。

基本的には、いいなって思った日々の備忘記録で使っているストーリーズにメッセージが届く。高校時代の友人だ。いつぶりだろう…。

メッセージを開くと「〇〇面白いよね!」という、あの頃と同じ温度感で接してくれる。最後に会ったのは、たしか2・3年前。

いつまでもたわいのない話ができるのは、学生時代の友達くらいだろうと思う。メッセージを何度かやりとりすると、行き着く話題は「最近どう?」ってネタ。

お互いの近況報告が終わると、「個人で仕事をやっている〇〇の生活が羨ましい」と連絡がきた。僕からしてみれば、今の生活が当たり前になっていたからこそ、逆に友人の生活が羨ましく思えた。

友人は結婚して子どもにも恵まれ、地元に一軒家を構えている。本当に絵に描いたように幸せな生活を送っていると見えていたからだ。

自分にとっては「当たり前」の生活が、他者から見たら「羨ましい」に。反対に自分から見て「いいな」と思う生活は、他者からすれば「普通」なのかもしれない。

年齢を重ねるにつれて人が歩んでいく道は変わる。それこそ、20代後半になれば、転職したり独立したりする人が出てくるし、家庭を持つ人がいるなかで自分の生活を大切に過ごす人もいる。人生の大きな分岐点になる年代。

だからこそ、実現できなかった生活を送っている他者に対して、憧れや羨ましさが湧くのだろうと思う。

「人は手元にないものを欲しくなる」とよくいわれる。ないものねだりしたくなる気持ちは誰にだってあると思うけども、今一度、自分の生活の素晴らしさについて見直したいと感じた、PM6:30…。



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