Sexy Zone「本音と建前」にアイドルとファンの関係性を見る
Sexy Zoneの新曲「本音と建前」はテレビドラマ「ウソ婚」の主題歌で、椎名林檎さんが曲提供されております。
ドラマ5話の終盤では「これは本音なの!?建前なの!?」と思うところで「さあおいで胸の裡を透き通すくらい近づいて」という歌詞が流れ、椎名林檎さんってやばない……??と改めて思いましたが、ドラマと合っているだけでなく、アイドル・Sexy Zoneが歌うからこそ彼らとファンの関係性もそこに見いだせるのかもしれないと思いました。今回はその話を書きます。
共犯関係=愛情の交錯 byケンティー
この曲にアイドル・Sexy Zoneとファンの関係性を見いだせるのかもしれないと思った最初のきっかけは、メンバーの中島健人さんのSongs magazine vol.12でのインタビューです。
ファンからアイドルへの愛に限らず、ケンティーが推察する「愛を罪と捉える感覚」はなんだかわかるなあと思います。愛情ゆえの重たさや期待感は友人間や家族間でも起きます。ケンティーのいう通り「愛情につきまとう背徳や後ろめたさ」はあります。
だからこそ、ファンの愛を鮮やかに受け止めてさらに大きな愛を返してくれるアイドルを見るとき、その魔法のような関係性に驚きます。いうてもアイドルはお仕事だし、オタクができるのは時間とお金を使うことだけ。そう思う気持ちもありますが、そう言い切れないような瞬間をSexy Zoneからたくさんもらってきました。背徳感や後ろめたさがあるからこそ、それを軽く飛び越えて届く予想外の愛のお返しがキラキラと魅力的に見えるのかもしれません。
そして、これが成立するのはお互いのある種の努力があるからだと思います。アイドルはアイドルでいろいろな配慮をしてくれていることが多いし、ファンはファンでこの関係性をぶち壊すようなことは避けます。せっかく夢の国に行くなら冷めた気持ちで行くより耳をつけてはしゃぐほうが楽しいじゃないですか。わざわざキャラクターの着ぐるみを剥がしにいったりパーク内を汚したりしないじゃないですか。もちろんオタクというよりは一人の人間として疑問に思うことがあれば声を上げますけれど。
愛と夢にあふれた関係性であるようにアイドルとファンが歩み寄ることを「共犯関係」と言ってしまうのはやや薄暗いですが、アイドルとファンの関係性を重ねて見られたら面白いな~なんて思っていました。
MVにおける「ステージ」の要素
そんなことをぼんやり思っているうちにMVが公開されました。
MVの終盤、メンバーはステージの上にいます。そして「三二一…sexy」で幕が落ち、ラスサビへ向かいます。
この歌詞をステージの上で歌われるわけですよ!!!!!
アイドル・Sexy Zoneの活躍の場はテレビを含めて多々あり、今はSNSもあるくらいです。その全ての場に本音と建前があるわけで、ステージ以外もモチーフにはなりえたと思います。
しかしここでステージという要素を持ってくる! 私はステージの上にいるSexy Zoneやステージを大事にするSexy Zoneが好きなので、ステージの上で言われる「最高に満たされています」が一番グッときます。というかグッとくることに気づきました。私はステージの上のSexy Zoneが好きなんだ~~!! と好きなものを再認識させられました。
別にSexy Zoneに建前が一つもないという話ではありません。言わないこと・言えないこともたくさんあるでしょう。メンバーのインタビューを読んでいて「あのときは言えなかった」「言うなら今だと思った」という言葉に出合ったこともありますし、今聞いている全てが本音だとは思いません。
ただ、ライブや舞台上での挨拶やパフォーマンスで、ああこの熱量は本当だなと感じる瞬間はあります。インタビューを聞いていて心を動かされることがあります。それを変に疑わずに素直に受け取ることは一つの愛であり、ファンとアイドルの「共犯関係」だと思います。
ということをふまえて聞く「もう全俺が愛だぜ」がまたよいです。先日のラジオでケンティーが「美しくないものも美しいものも備えているのがアイドルだと思っている」「全て漂白されたものではなく、いろんな何が渦巻いた中で前に進み続けるのがアイドルなんじゃないか」という話をしていましたが、美しくないものも美しいものも含めた「全俺」を愛として提示されたらこちらももうそれを受け止めて返す共犯関係になるしかないでしょう。
アイドルとファンの関係性を重ねて見られたら面白いな〜どころの話ではありませんでした。めちゃ重ねました。椎名林檎さま本当にありがとうございます……。
風磨くんの「なんちゃって」が持つ軽やかさ
……とまあMV終盤の話をしまくりましたが、先日ラジオで解禁されたフルバージョンでいうと好きなのはここです。YouTube Ver.では見られないパートですがぜひラジオのタイムフリーやCDで聞いていただきたいところ。
ここの何がいいって、歌ってるのが菊池風磨さんなんです。ここからはもう風磨担のオタク語りです。
風磨くんのインタビューを読んでいると「振り返ると、本当によくない態度を取っていたなと思う」「メンバーからすると俺、怖かったと思うよ、ほんとに」(Sexy Zone Anniversary Tour 2021 SZ10THパンフレット)など、過去の自分への反省が語られることがあります。
ですが、基本的には全力でやり切って後悔なく生きようとするタイプの方でもあります。今思うと反省する点があったとしてもそのときはそのときのベストであって、「友達に胸を張って伝えられるほう」を選択してきたという自負がある方だと思います。
そんな風磨くんが「自分のそんな醜態当時の理合が判って来た齢 なんちゃって」を歌っているのがたまらく好きです。かつての自分を醜態と表現したり当時の理合が分かって来たと悟ったりする感覚も、本音の部分ではきっとないわけではないと思います。でもそれをすごく表に出して重々しく語りまくるわけではない。表に立つ人間としての建前、そして後悔なく生きようとする人間としての本音としての「なんちゃって」がある。「なんちゃって」の軽やかさで重たいものを飛び越えていく。私はそういう風磨くんの真面目さと軽やかさの共存が好きです。
残念ながらYouTube ver.にはないパートなので
ラジオのタイムフリーを活用する
Twitterで「本音と建前 フル 頭出し」で検索したらファンがたくさんツイートしていると思うのでそこから聞けます
椎名林檎さんやTop J Recordsのサイトで公開されている歌詞を味わう
CDを買う
初回限定盤Aには「本音と建前」のフルサイズMVが入ります
といった方法でお楽しみいただければと思います。
CDの詳細とご購入はこちらから。
「本音と建前」は他の収録曲もいい(&最近のSexyがくれた出合いについて)
ちなみに全形態共通で収録されている「Try This One More Time」は、映画「トランスフォーマー/ビースト覚醒」日本語吹き替え版主題歌です。映画含めてめっっっちゃいいので聞いていただきたいです。
いや~映画面白かったな~~。実写映画版トランスフォーマーシリーズの過去作品を見てすっかり好きになったうえで見に行ったので、万が一ケンティーの吹き替えやSexy Zoneの吹き替え版主題歌を微妙に感じてしまったらどうしようかと思っていましたが、そんな心配を吹っ飛ばしてくれるくらいよかったです。ありがとうケンティー、ありがとうチームSexy Zone。
このまま映画について1000字以上書きそうなのでここで終わりますが、一言いうとエレーナとエアレイザーの関係性が好きでした。ケンティーが吹き替えしたノアとミラージュの絆もいい。すみません二言言いました。とにかくトランスフォーマーシリーズを見るきっかけをくれたケンティー、Sexy Zone、ほんとにほんとにありがとうございました!!
また、通常版に収録されている「Green Light」は、メンバーの松島聡さんがモデルをつとめるPEACH JOHN「恋する、ルームウエア」のテーマソングです。ページで曲が聞けるのでぜひ。
ルームウエア自体も着心地がよいです。在宅勤務時の下はだいたい「恋する、ルームウエア」シリーズの何かを着ています。おしゃれ無縁ライフを送ってきたのでまさかPEACH JOHNの製品を買う日が来るとは思いませんでしたが、Sexy Zoneを応援しているといろんなものに出合えていいですね。
新シングルは関係ないんですが、Sexy Zoneを応援する中で出合ったものシリーズでいうと、最近はこちらです。
KATEのリップモンスターね~~!! おしゃれ無縁ライフを送ってきた人間でも名前は存じ上げておりましたよ!!
中島さんのあまりの美しさにCM解禁日の朝に即Amazonで注文しました。「唇が赤くなる」以上の効果がありました。その話はまた別で。
*23/09/18追記:リップモンスターのCMの件など状況が変わった部分は多々ありますが、書いたときの気持ちを残しておきたいので投稿は残しております。