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Sexy Zoneに出会った日のこと

■1年前のあの日

1年前、中高の友人からライブ映像の観賞会に誘われた。社会人になって半年を過ぎた頃だった。

このご時世なので、観賞会といっても黙々と映像を見てボソボソと話すことしかできない。楽しみは通常の半分くらいに違いない(通常の観賞会を知らないのであくまでイメージだが)。そもそも自分は人と休日に会うようなタイプではなく、なぜわざわざ出向いたのかも覚えていない。

それでもふらふらと出て行ったのは、新卒入社してから半年、ひたすらテレワークの毎日でろくに出かける機会もなく、インドアな私も流石に家から出たかったからなのかもしれない。

■始まりはペジコンなるものから

Sexy Zoneのコンサート映像を大量に抱えた友人、のちのオタクの師匠が「4人の映像と5人の映像を持ってきてるけどどっちから見る? 最新のがいいかなあ」と言うので、私は素直にペジコンなるものを見せてもらった。公演名がPAGESだからペジコンらしい。コンはコンサートのコン。

真っ暗な会場に順々にメンバーが登場し、きらびやかなセットが現れていく。オープニングの時点で私は「夢の国じゃん……」とつぶやいた。絶対に楽しい時間が始まる。そんな確信があった。

その後は、

  • なぜかランドセルを背負って歌うメンバーに混乱する

  • 佐藤勝利さんのソロ曲を聞いて「まっすぐな声で歌う人だなあ。まっすぐじゃない? まっすぐだわ」と言い続ける

  • 「チャチャチャチャンピオーン……お前知ってるぞ!! 15年W杯の曲や!!!!」

  • 「このアコースティックでやってる曲めっちゃいいね。どのアルバムに入ってるの?」「これはカップリングです」「うう、出だしのマリウスくんかっこよかった……」

  • Sexy 令和コールを経てエアバンドを始めたメンバーに混乱する

などとしているうちに、あっという間に公演は終わった。

PAGESという公演のタイトル通り、次のページはなんだろうとワクワクさせるような楽曲や演出、そしてなにより観客を引き込み続けるメンバーのパフォーマンス。圧倒的没入感ゆえに「夢の国じゃん」しか言えなくなった私を待っていたのはリペコンとサマパラだった。

■リペコンとサマパラで出会った恐ろしい人たち

1公演目にやられた私はさらにワクワクしながら2公演目を観た。2公演目はリペコンことSEXY ZONE repainting Tour 2018。

ジャニーズ知識ほぼ0の私だったが、リペコンに関しては楽しみにしていたものがある。「PEACH!」である。当時私のTwitterのタイムラインには「PEACH!」に取り憑かれた人がいて、「吸わないとダメ」などというツイートが流れていた。それはもう見るしかなかろう。

で、噂の「PEACH!」。中島健人さんの表情管理の極みがここにあった。たしかにこれは取り憑かれる。クルクルと変わる表情もキラキラした笑顔も、一挙手一投足がかわいい。かわいすぎる。なんてキュートなんだ。so cute。もうその感想しか出てこず、コロナ禍でなければ叫び倒したかった。

そんな可愛い中島さんのソロ曲もまた、別の角度で衝撃的だった。「伝家の宝刀くるぞ〜」と師匠(健人担)が言うので見守っていると、ポップアップで飛び出してくる中島さん。「オタクを守るために1000年先から来たケントロイドなんだよ」という解説を全く理解できずに、ただただ見守る。

曲としてはめちゃくちゃかっこいい。ダンスもキレキレだ。しかし鑑賞メンバーの「くるぞ、くるぞ〜〜」という雰囲気が気になって正直集中できない。画面の中の中島さんが花道を歩きながら客席を煽る。煽り、煽り、煽り……そして

脱いだ!!!!
というかTシャツを引き裂いた!!!!!!

「北斗の拳じゃん……」と思った。多分声にも出ていたと思う。中島さんはPEACH!の妖精と北斗の拳を兼任する人だったのだ。恐ろしい。

そしてSexy Zoneにはもう一人恐ろしい人がいた。松島聡さんである。

リペコンを見終わった後、友人は2017年のサマパラを見せてくれた。残り時間もわずかなのでおすすめシーンだけ〜とのことだったが、今思えば、おすすめシーンというよりは私を確実に落とす曲を選んでいたのだろう。

その一つが松島さんの歌う「KAGUYA」である(カバーということはのちに知った)。華麗に踊る姿も、露出が多いわけでもないのにただ漏れている色気もすさまじい。「さっき見たマーメーイードッ♪の可愛い人と同じ人????」と大混乱。おそらく先人たちも膝から崩れ落ちたであろう「KAGUYA……」の囁きにアワワワワワワワワとマスクの下で口をパクパクさせてしまった。こちらはマーメイドどころか魚である。

松島さんは海辺のキラキラアイドルくんとジャパニーズセクシーお兄さんを兼任する人だったのだ。恐ろしい。

■Sexy Zoneのライブが「夢の国」である理由

とまあそんな感じですっかりSexy Zoneのライブを楽しんだ。Sexy Zoneどころかジャニーズもあまり知らなかった自分がなぜこんなにも楽しめたのか。それは前提知識がなくてもキャッチーな曲、会場のファンの盛り上がり、なによりライブの持つ物語性ゆえだったと思う。

ペジコンには人生のページをめくっていくかのように、リペコンには自分の中に色を集めていくかのように、ライブ全体を貫いている物語があった。歌う曲が幅広くても、個性的なソロ曲が入っても、不思議と統一感がある。1本の作品として世界観がまとまっているのだ。

それはまるで某夢の国のようである。没入させてくれるだけの世界観があるからこそ、背景知識がなくても行けば楽しい。キャラクターたちが着ぐるみを脱ぐことなんてない。Sexy Zoneのライブもそういう場所だった。

Sexy Zoneのライブが「夢の国」だと感じた理由。それはライブの持つ物語性と、その中で観客を現実に戻すことなく徹底的に夢を見せてくれるパフォーマンスにあったと思う。

引きこもりテレワーカーに夢を見せてくれてありがとう。おかげさまで1年経った今でも夢から覚めていません。

そんな物語性の高いライブのキーマンが菊池風磨さんだということを知る話はまた後日。

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