戯言⑩『月にむかっておやすみよ』

今日という日は
なにもなく
風もなければ
お日様もなく
暑くもなければ
寒くもなく
ツキもなければ
褒められもせず
歓びもなく
ただ過ぎ去った

今日という日は
なにもなく
地震もなければ
雨もなく
病やまい もなければ
諍いさかいもなく
事故もなければ
怒られもせず
泣くこともなく
ただ夜がきた

今日という日は
なにもなく
なんてことない
一日で
なにごともなく
終えたから
今宵も天そら に
ただ感謝して
月にむかって
おやすみよ

【あとがきのような何か】
帰途に自転車で一本道の坂をくだるとき、はるか向こうの輝く月にむかって走っているような感覚を覚えたので、僭越ながら投稿させていただきました。

なんとなく思いつきでつぶやいてみた戯言です。

『月に代わってなんちゃらよ！』なんて昔のアニメの決め台詞にずいぶんと引っ張られたタイトルだけが思い浮かんだのですが、書くうちに段々と内容が外れていってしまった次第です。書きながら月が好きだった母を思い出していたのかもしれません。

叔父や母の死、父の病など、昨年から今年にかけて本当に色んなことがありましたが、平穏無事でなにごともない日常のありがたみをしみじみと感じている今日このごろ。決して積極的で能動的ではないのかもしれませんが、消極的でも受動的なわけでもなく、今日もなんとか生きながらえさせてもらっています。

まさに

あなかしこ、あなかしこ

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