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この師走に“自死”について考える

いよいよ、2023年も12月。後一か月となってきましたね。この頃になると、いつも僕は今年も無事に生き延びられたなぁと、感慨に浸るわけです。笑。

というのも僕も精神疾患を抱えていて、鬱の病をもう20年以上も抱えながら生きているのです。ある聖職者の方には「よく死なないで生きてこられてますね」なんて言われたりしたこともあります。
いろんな窮地に立った時もあるけども、そこまで本格的に自殺を決行したことはなく、まぁ、「死にたい」「死にたい」といったことはいつも独りになると考える時も儘ありますが、人生誰もが山あり谷ありある訳でして、僕も、しぶとく?現在46歳まで生きているのです。

東京に出てきて知り合った、代麻理子さんがステキな本を今年上梓されましたので、ぜひお薦めいたします。
『9月1日の君へ』という本です。


『9月1日の君へ』

「9月1日」に何があるのかっていうと、学校が夏休みを終えて2学期になって始めての登校の日なんです。無情にも夏休みは終わってしまいます。
そんな日に一番自殺者数が多いんだそうです。
自死っていうのは本当にツラいと思います。僕は幸い、親類や友達に自死を遂げた人はいないのですが、突然、なんの兆候もなく、亡くなるっていうのは、残されたものの心の整理をつけることがなかなか難しいのではないのかと推測できます。
芸能人の自殺も昨今は相次いでいて、心を痛める原因になっています。
そんな自殺の予防になればということで、代さんいろんな人(山田玲司さん、内田樹さん、橋爪大三郎さんetc…)に寄稿を求めて自殺をしないように呼びかけている大変、意義のある本に仕上がっています。
私もお会いした時にサインとメッセージをいただきました。


代さんのサイン

ありがたいことでございます。
僕は自ら命を絶つことは絶対致しませんのでご安心ください

この間、代さんが、今、働いておられて、平川克美さんという(僕も好きで結構著書も読んでいます)方が営んでいらっしゃる「隣町珈琲」でゲストを呼んでトークイベントがあったのですが、その時のゲストが春日武彦というちょっと変わった精神科医で著書もたくさん書かれている方のトークイベントに参加してきました。


左より平川さん、代さん、春日さん

このトークイベントのテーマがまさに”自殺”についてだったんです。
春日さんも、昨今、『自殺帳』という本を上梓なされたばっかりということで、こういうトークイベントになったみたいです。
そんでもって、『自殺帳』を僕もこのイベント会場の隣町珈琲で購入しました。


『自殺帳』

精神科医なのに不謹慎だと思われるかもしれませんが、本当に面白い方で、僕も今までいろんな精神科医を見てきましたが、ここまでオモロい精神科医は初めて見まして、ちょっとファンになってしまいました。笑
そして、僕も質疑応答のコーナーで質問したのですが、僕の鬱の場合は、精神科医もどんなものかよく理解できていて、それなりに心配もしているので、病院にかかっていると鬱の人の自殺率は低いのだそうです。問題なのが統合失調症で、これは本当に、思いがけぬタイミングで医師でも自殺するとは兆候も見せないのに亡くなるという例が多々あるのだそうです。

そして、この『自殺帳』ようやく読了しました。
いやぁ、すっごく重たい本でしたね。辛い読書でした笑。
自殺についてを、ここまで真正面から向き合った本を僕はおそらく初めて読みました。いろんな自殺の理由はありますが、結局は精神疾患ないしは異常な精神状態による自殺。というのがほぼ全てに当てはまるんじゃないでしょうか。
やっぱり、いろんな事例を紹介されて書かれていますが、ちょっと尋常でない精神状態でないと自殺を成功させることってのは、難しいのではないでしょうか。
僕も首吊りをしようと思ったこともありますが、怖くて出来なかったし笑。
電車に轢かれての轢死なんてのは、恐ろしくて絶対出来ません普通は。
だって、死骸がメチャクチャになるんですよ。考えただけで恐ろしいです。
でも中央線や僕が今住んでいる小田急線沿線で人身事故ってアナウンスされて電車が遅延するのはおそらく自殺だろうと推測されるわけでして、考えただけで哀しい限りです。
しかし、自殺はしないと思っていても、もしかしたら異常な精神状態になって自殺をする確率もなくはないわけでして、僕も気をつけないとなぁと思う訳です。

自殺についての面白そうな本はないかと書店をちょっと物色してみたら、ありました。寺山修司『青少年のための自殺学入門』


『青少年のための自殺学入門』

これは、僕、不謹慎ながらも、笑ってしまう部分が多々ありました。
いかにも寺山修司らしいウィットに富んだ文章と語り口で、『自殺帳』よりも読みやすいし、面白かったです。
僕は若い頃は寺山修司の熱心な読者ではなかったんですが、最近はちょこちょこと読んでいます。
また、柳美里さんの解説が秀逸です。

おそらく寺山は一度たりとも自殺を試みようとしたことはないと、私には断言できる。寺山修司ほど自殺が似合わない作家はいないからだ。

僕も、この本を読んでみて本当にそう思います。
しかし、早くして亡くなられたのも病気なのに映画や演劇と精力的に仕事のし過ぎで緩やかな自殺なのではないかという柳さんの寺山評もうなづけます。

自殺については、この度、春日さんの『自殺帳』を読んで考えることや思うこともたくさんあるのですが、まだなかなか頭が整理できていません……

そして、書いていたら、思いの外、長くなってきたので、この辺で。
やっぱり、自ら命を絶たずに天寿を全うできるまで、
世知辛い世の中ではありますが、死なずに生き延びて行きましょう!!




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