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産後パパ育休の記録⑥ 育休期間の給料

 育休から復職して2週間。休業期間を含んだ5月分の給料が支払われる日が来た。

勤め先における育休期間の給与の考え方

 私の勤め先はコンプラ重視を掲げているだけあって、育休の申請はすんなり通った。申請に必要なのは昭和生まれの自分自身が引きずる「男が仕事を休む=悪」という刷り込まれてきた価値観だけだった。平均年齢が高めの職場(40手前の私が若手)なだけに、男性の育休についてよくない心情をお持ちになった諸先輩方もいたとは思うが、その心情を私に突きつけることは、会社が今まで口酸っぱく役員や社員に伝えて広めた「コンプラ重視」の雰囲気が阻止した。

 そういう点ではとてもいい会社だと思うし、感謝の気持ちも湧いてくる。育休を社員に取らせることは、離職防止にもすごく効果的かもしれない。恩は感じざるを得ない。正直、給料が上がった時以上に恩を感じた。

 そんなわが社だが、産後パパ育休も育休も無給である。昨今では産後パパ育休は有給とするような企業もあるようだが、わが社は無給である。

 これについては当然だと思うので、不満はない。子を成すのは会社の使命ではなく、社会や国の使命だと思うので、働いていない間の収入は会社ではなく国などが保障すべきだと思う。

 だから、会社からは無給で、育休手当(育児休業給付金)という国の制度がそれを保障するという考え方は腑に落ちる。私は黙って育休手当を国から受け取るのみである。

実際の給与額

 さてさて、給料日前に給与明細が届いた。5月分である。

 5月は息子が産まれる前の月初の数日は出勤した。そして、育休期間中のどうしても外せなかった出張2日間も、育休期間中ではあるが育休扱いとはしない、というような手続きを取っていた。会社に対して「いつからいつまでの育休を申請します」という書類を提出し、会社からは「育休OKですが、●月●日と●日は出勤してほしい」という書類が返ってきて、それを承諾する旨の書類を私が提出する、という流れだった。

 ちなみに、この会社からの「育休OKですが、●月●日と●日は出勤してほしい」という要請については、ちゃんと事前の協議があってのこと。むしろ私のほうから「基本的には期間中は休みますけど、この日だけは外せない出張なので出勤扱い、っていうような勝手なことはできますか?」と申し出た結果、そういった対応を取ってもらった感じである。

 会社としても育休期間中で無給期間であるはずなのに、出張旅費などを私に支払っているとまずいわけで、話はすんなりと進んだ。

 ということで、会社が定めている5月の労働日数21日間のうち、私は5日間だけ出勤した。

 そして、給与明細を確認すると、総支給額としてはちゃんと出勤した5日分が支払われていた。出勤日数が「21分の5」なので約24%。総支給額は4月の総支給額の約23.8%になっていた。

 仮に4月の給料が額面で30万円だったとすれば、その23.8%は71,400円である。当然のことであるし、理屈も通っているので納得しているものの、そんな額の給料明細をみるとギョッとしてしまい「うぉ!」と声が出た。部下が私のうめき声を聞き「給料上がったんすか?」と真逆の推察を述べた。

当然そこからさらに控除される

 総支給額がいつもの四分の一以下だが、当然そこからさらにいろいろと引かれる。

 雇用保険や所得税に関しては、5月の少ない給与支給額に対して定められたパーセンテージで引かれていくので、金額的には大したことが無い。総支給額の2%弱。

 ガバッと持っていかれるのが住民税である。住民税は所得税とは違い、その月の所得の何%というようなものではなく、前年の所得によって翌年の毎月の金額が定められる。つまり、この5月の住民税は私の給料が育休で激減していようが関係なく、減額されないのである。

 結果として、私の5月の少ない給料(額面)の20%ほどが住民税として持っていかれたことになる。ちなみに、4月は私の給料(額面)のうち住民税が占める割合は5%弱くらいである。どえらい負担率の上昇だ。
※引かれる額は4月も5月もほぼ同じで、あくまでも育休で給料が激減しただけ。

 さらにごっそり持っていかれるのが、給与から天引きされる形で支払っている保険料などである。これは私が任意で加入しているもので、人によっては全く負担がないということもあるとは思う。私は会社が提携している保険会社にて任意の保険に自主的に加入しているので、これも育休期間中であろうがなかろうが関係なく、決まった金額が天引きされる。

 結果、大幅に減額してしまった給与のさらに半分ほどが差し引かれ、手取り額は本当に雀の涙である。もし、もっと手厚い保険に入っていたりすると、雀の涙どころではなかったかもしれない。

 ちなみに、私は何とか5月の少ない給料でも月々給料から天引きされる支払い額をカバーできたが、これがカバーできない場合(5月を丸々休んでいた場合や、保険料の支払いなどがもっと多かった場合)はどうなっていたのかを会社に問い合わせてみた。答えは「会社から私に支払い指示が届く」ということらしい。給料日に赤字の給与明細が渡され、逆に払え、と来るわけだ。当然だが、恐ろしい。


しかし、月々の支払いはまだまだある

 やったー。何とか5月の給与明細は黒字だった。と安心するのはまだ早い。給与から天引きされる類の支払いは何とかなったが、その他の支払いはまだまだあるのだ。

 家賃またはローン。光熱費。携帯代。会社を通していない保険や個人年金なんかもあるし、奨学金の返済だって私にはまだある。家計は火の車である。確実に大赤字。

 しかしまぁ、一応少々の蓄えはある。それを切り崩して支払えばいい。冷や汗は少し出たが、まぁ何とかなる。それに、これを切り崩した分は、後々ではあるが育休手当(出生児育児休業給付金)を国から受け取れば、おそらくは十分に穴埋めできる。

育休手当(出生児育児休業給付金)はいつ?

 育休手当(出生児育児休業給付金が正式名称らしいけど、長くて堅いから以下は育休手当と表記)は会社が申請するらしい。私の給与口座に定められた時期に振り込まれるよう、会社がしかるべき手続きを進めてくれるとのこと。

 では、それはいつ?

 まず、産後パパ育休の場合、育休手当の申請は産後8週目以降となるらしい。

 ……なぜ!?私の産後パパ育休は産後4週間で満了している。なぜ育休手当を申請できんのじゃ。

 きっと、産後パパ育休を取得できるのは産後8週の間だからだと思われるが、もうええやん。満了した人から順に申請させてよ……と思う。まぁ、そうはいかない事情もあるのでしょう。そこは行政側の都合を理解してあげないといけないのかもしれない。

 で、申請したとして受け取れるのはいつになるのか。

 これ、調べても何ともよくわからない。会社がハローワークなどで給付について手続きを進めるらしいが、給付手続きをして、給付が決定してから1週間くらいで支払われる※、というような情報はあれど、給付が決定するのはいつごろかというような情報が今一つ出てこない。

※P5の下のほうに小さく書いてある

https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000986158.pdf

 出生児育児休業給付金ではなく、育児休業給付金についてのことは色々と情報が出てくるが……

 とりあえずは、息子が産まれてから満8週間となる7月初めには会社が手続きを進めてくれるだろう。となると、早くても支給は7月中なのか??

 ここはひとつ、支払われてみてのお楽しみとしておこうと思う。

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