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2024/4/8 📚『ロジカル・シンキング:論理的な思考と構成のスキル』要約


1. 本書の概要

『ロジカルシンキング:論理的な思考と構成スキル』
照屋華子、岡田恵子 著
(東洋経済新報社、2001年)

2. 人にわかりやすく伝えるため、はじめにやること

人に説明をしようとするとき、いきなり「自分が言いたいことをまとめよう」と考える人がいるが、それよりももっと大切なのは以下の2点である。

①課題(テーマ)・答え・メッセージの3つがそろっているかを確認する
②相手に最終的にどんな反応(行動)をしてほしいかを考える

②については、自分が読み手・聞き手になっている時も、文章の目的(自分に期待されている反応)を予測する癖をつけると良い。

3. 人を納得させる説明をするためには

 人を納得させるためには、明確な根拠があることが重要である。結論が根拠から飛躍していないか、客観的な事実になっているか、具体的になっているか、を確認すると良い。
 具体性については、「何にでも言えてしまう教科書のような内容」では、根拠としての役割を果たしにくい。自動車会社の社員が「四輪車を作っていることが自社の強みです」と言っても、「それは他の自動車会社も当たり前にやっていることだろう」と、一蹴されてしまう。具体的な根拠をもつには、それほど奥まで思考を深め、理解していることが必要である。

4. 重複・ズレ・漏れをなくす「MECE」

 説明の中で、内容の重複・ズレ・漏れがあると、途端に説得力をなくしてしまう。それを防ぐため、「MECE(ミッシー)」というフレームワークがおすすめである。MECEとは、情報全体を、重なりのない「部分」に分けることである。説明をする際には、MECEを徹底しながら内容を構造化し、全体と部分を使い分けることで、相手の理解につなげることができる。
 MECEの切り口としては、マーケティングでは4C(顧客価値、顧客のコスト、顧客の利便性、コミュニケーション)、バリューチェーンなどがある。また、計画の短期・中期・長期といったステップによる分け方でも、MECEができる。他には、「事実と判断」「質と量」など、対になる概念をMECEの切り口とすることもできる。
 なお、MECEはそれ自体を完璧にすることが目的ではなく、MECEをなるべく意識して情報の分類を行うことで、思考を深め、納得感のある説明を行うことができるようにすることが重要である。

5. So What? と Why So?

 私たちは結論を示すとき、「よって」「したがって」と、自然に使用している。だが、これらの接続詞の前後で話があまりに飛躍していると、相手に理解してもらうことはできない。
 飛躍なく、わかりやすく「よって」を使うことができるようになるためには、頭の訓練が必要である。おすすめの訓練は、手持ちの情報の中から、結局どういうことなのか(答えるべき課題に照らしたときに重要となる事柄)を抽出して答えを出し(So What?)、なぜその答えが抽出できるのかを問いかける(Why So?)という作業である。So What?を繰り返して抽出の癖をつけ、Why So?で検証をすることで精度を高めるのである。So What?には、事実を観察して要約するものと、そこからいえることを考察するものがある。

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