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【読書感想文】神様のビオトープ/凪良ゆう

【注意 ネタバレ含みます】
今回はなぜこの本を読むことになったのかを説明したい。

ずばり、立ち寄った本屋がこの本をゴリ押ししてたから。

わざと、“ゴリ押し”というワードを使って説明したいくらいの積まれてる本の冊数。そしてPOP。こうしてアピールされてると、まんまと読んでみたくなるのが、本読みの宿命(?)。
(POP掲載許可お店の人に取り済み。bookstudio大阪店の店員さん、ありがとうございます。)

こんなにおすすめされたら買っちゃうよねえ、ということで、購入!ちなみに、ちゃんと写真の2枚目に書いているお願いを守って、裏やコメントは読まずに最後まで読みました。



未亡人のうる波と死んでしまった夫、鹿野くんの、何かのきっかけですぐに壊れてしまいそうな、微妙なバランスで成り立っている生活。その生活をする上でのうる波の細かい感情の描写がすごい繊細で好き。
内容だけ見ると、現実ではありえないような設定だけど、そのありえないような設定に違和感を感じることなく、読み進められたのは、繊細な感情の変化を上手に書かれていたからかなと思った。

しかし私にはこんなに繊細な感情があるのかな。私が知らぬ間に見落としてきた感情なのか、もともと私には無かったのか。知らぬ間にどんどん強くなったのか私、と思わされるような繊細さ。毎日とりあえず仕事をするために、いろんな感情をいつの間にかどこかに置いてきてるのかもなあなんて。これについてはまた別のタイミングでnoteに書きたいな!

本題に戻ります。
本のカバーのデザインや、感情の描き方の丁寧さはとっても柔らかい、ほんわかした印象を受けたけど、主人公とは別で出てくる人達が話す内容は結構ヘビーなものがあったり。でもそれを引きずらせないような読みやすくて、重い気持ちにさせないような文章でした。改めて感想を書こうともう一度読み直してみると、結構重いよな、と気づくような。でもこれは前半に重いような内容が来ているから、徐々に重さが後半を読むにつれて、軽くなっていってるのもあるのかもとも思う。

内容はプロローグとエピローグ含めて6章あって、その中でも私が好きだったのは、エピローグ。皆、人には言えないようないろんな秘密を持って生きているけど、この章で出てくる2人のように幸せになってほしいし、なりたいなという希望が感じられるような気がしたので、私はこれが一番好き。人によっていろんな幸せの形があるのはわかっているけど、ハッピーエンドとか頑張ろうと思える内容が好き。(これは完全に私の好みの問題。)もしかすると、最初の方の“アイシングシュガー”とかが最後だと、内容が重くて、読後感が良くなかったかもなあ。(細かい内容は読んで見てね!)

通勤の電車のなかで少しずつ読んだのですが、短編集みたいな形になっていて、少ない時間でも読みやすかった。

上に載せたPOPで、人生のベストに入るかも?と書かれてるけど、私のベストには入らなかったかなあ。面白かったけど、最初の死んでしまった夫の幽霊と一緒に暮らすっていう設定が、どうしても現実感がなくて、話が目を通して読んでそのまま、ス〜っと消えて記憶に残らないように感じた。面白かったけどね。綺麗な描写やからかな。


作者の凪良ゆうさんの「流浪の月」は本屋大賞を受賞してる方らしいので、それもまた買おうと思います◎もともとは女性向けライトノベルを書いてた人なんやって…それも気になるな…?

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