【ひとしずく】

砂漠に落ちる一滴の雫では
到底オアシスになんてできない

すぐに消えてしまうヒトシズクに
本当に意味は無いのだろうか
意味を考えても良いのだろうか

砂漠が何をどう考えようと
僕にそれを知る術はない
答えを知る者も存在しない

僕が紡いだコトノハに
あなたを変える力はないけれど
その意味なんて必要ないし
考えることなんかしなくていい

砂漠を緑変えようとして
雨雲はそこに雨を降らさないし
僕はあなたを救えるとまで
過信してコトノハを紡いではいない

けれど一滴の雫が
零れ落ちて消えていくことは
悲しくなんてない

落ちる前に蒸発するより
たぶんきっと
凄く幸せなことなのだから

消えず消えてく幸せは
僕の中にある