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日本人皆無!海外マイナー知財カンファレンス参戦記録

コロナ禍のため、去年今年と知財系のリアルイベントに参加できていません。

よって、少し前になりますが、2019年年末、ドバイで開かれた知財カンファレンスに参加した経験を共有したいと思います。



カンファレンス概要

主催団体は、IP Gorillaというインドの団体です。

ロゴはこんな感じ。何故ゴリラなのかは分かりません。

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年に6回ほど、世界各地で知財カンファレンスを開催しています。

開催都市は、ニューヨーク、デリー、ドバイ、シンガポール、東京 等々です。

参加すると表彰されて、こんなトロフィーが送られます。

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参加するに至った経緯

ある日、英文で、「あなたは世界のトップ50のIP Player候補として選出されました」的な長文メールがLinkedIn経由で届きました。

なぜ私のような目立った業績もない若輩者にこのようなメールが届いたのか。

はっきり言ってうさん臭さ満点でした。

おそらく、カンファレンスの参加者を色んな国から集める際に、LinkedInで候補者を調査する際に、私のプロフィールが引っかかったのでしょう。

私の経歴が素晴らしいというよりも、”日本人で英文プロフィールをLinkedInに掲載している知財人材”がおそらく圧倒的に少ないため、声がけがあったものと想像します。

いつもならば、速攻でゴミ箱に入れますが、その日は何の気の迷いか、メールをざっと読み申し込みをしました。

迷ったら飛び込んでみるのは信条でもあります。

その後、案内メールが来ましたが、以下①~③のようなハードルが存在しました。

①英文で自己推薦文を提出し審査⇒電話で英語による高等審査要

②参加費用はミニマムで約10万円ほど(航空券やホテル代も自腹)

参加費用ですが、スピーカーとして講演をしたり、パンフレットに名前や顔を掲載するなど希望すると、さらにプラスで費用がかかります。私は諸々含めて20万円以上はかかりました。

③日程は、水木と2日間にわたって行われます。

日本からの移動も含めると、火~金がつぶれます。当然、所属企業での業務調整や有給申請も必要になります。

参加者属性

ドバイという土地柄もあってですが、日本人の参加者は私が唯一でした。アジア圏からは、中国、香港、フィリピンなどから1名ずつ。

圧倒的に多いのは中東とインドの方々で、一部、アフリカと欧州(イタリア、フランスなど)の方がいました。

世界各国の特許事務所の他に、航空会社や通信会社などの知財担当者、また、大学所属の方も何名かいらっしゃいました。

年代としては、40代~50代くらいが多い印象で、30代半ばの私は年齢も肩書も少し見劣りする形でした。ただ、ビジネスプロフェッショナルな方々だけあって、皆さま対等に接していただけました。

カンファレンス概要

カンファレンス自体は、いくつかのトピックに対して事前にスピーカー5名程度が選ばれており、彼らのディスカッションを聞き、その後質疑応答という形で基本的には進んでいきます。

議題は色々ですが、あまり知財の法律論というよりは、ビジネスにおける知財情勢といった形で、スピーカーの方々も、企業で知財に関連があるポジションに就いている方が多かった印象です。

色んな国の方がいるので、話される英語も様々で、そういった意味ではある程度気楽に発言できる雰囲気はあります。

内容はかなり高度で、英語というより前提知識がないためディスカッションについていくのはなかなか困難でした。

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そして、合間合間にティータイムがあり、軽食とともに参加者同士で自由に話す機会があります。実はこの時間がこのカンファレンスで最も有益な時間かもしれません。

海外経験の乏しい私は初め気おくれしてしまい、なかなか話しかけられずにスペースの端でひっそりとたたずんでいました。

英語に不安があることに加えて、インド中東や欧州系の高級スーツを身にまとったおそらく偉いポジションに就いている方々を相手に、一体何を話せばよいのかわからなかったためです。

しかし、インド系の優しそうな女性が話しかけてくれたのをきっかけに、自分からも色んな方に話かけることができるようになりました。

見かけが威圧感がある、ターバンを巻いた中東の方も、話せば知性とやさしさに溢れる方々でした。

参加メリット

大変な思いをして参加しましたが、メリットはありました。知財の最新動向の知識が得られるということももちろんあるのですが、なんといっても、世界中の知財プレーヤーと繋がりを持つきっかけができることに尽きます。

普段、日本の中にいると、どうしても閉じた世界で知財について語ることが多いですが、知財の本質はやはりボーダーレスなことにあるとカンファレンスを通して再認識できます。

あと、私はドバイの特許事務所所長の方にありがたくも誘っていただき、運転手付きの高級車でドバイを観光したあと、ブルジュ・サリファで夕食に連れて行ってもらいました。

この方、Wikipediaに載っているすごい方なのを後で知りました。

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ちなみにこの方は、表彰式でトロフィーを渡す役割も担っていました。

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最後に

コロナが蔓延する昨今、リアルイベントへの参加は難しいですが、やはり、

海外とのネットワーク作りは、知財人として欠かせないものです。

ご紹介したほかにも、世界には様々な知財カンファレンスがあります。

日本人がほぼ参加しない知財カンファレンスも多いですが、情勢が落ち着いたら、一度足を運ばれるのはいかがでしょうか。

間違いなく自分の殻を破り、知財人としての目線が広がる機会になるでしょう。

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