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蝉の存在感を考えたら、自然観に行きついた話

なぜ蝉はいつも話題や引き合いに出されるのでしょう。
毎年思うんです。蝉の人気ぶり。

そこで理由を勝手に検証してみました。
1、鳴き声の存在感が半端ない。
2、成虫してからの命が7日間ととても短い。
3、松尾芭蕉の俳句が有名。


1、鳴き声の存在感が半端ない

ではまず一つ目の理由から検証。
あの鳴き声を聞くと、一瞬で夏と思わせるインパクトの強さ。強力。

個体数にものを言わせている感じもあるが、1匹の声量がすごいですよね。人間が声量を上げようとすると、かなりの訓練が必要なのに。ちょっとジェラシーです。

ジジジジジーというアブラゼミのちょっと暑苦しめの声や、ミンミンゼミの夏休みだぜ!という感じ。ヒグラシのカナカナという鳴き声は、日が暮れるからおうちに帰る寂しさが。ツクツクボウシは何かのタイミングでテンションを上げています。どうした?とつい思ってしまいます。

自分たちの存在をアピールしているよう。と思ったら、鳴くのは蝉の婚活なのでその通りだそうです。

音がかなり大きいっていうのがやっぱりポイントが高いんだと思います。

2、成虫してからの命が7日間ととても短い

成鳥になるまでに7年かかるのに、地上に上がってから7日間の生命と言われています。そしてその間泣き続けるというのが「儚い命と一生懸命生きていること」を表しているようで、日本人の心に響くものがあるのだと思います。

おそらく蝉からしたら、そんなに一生懸命鳴いているつもりも儚い命とも思っていないと思うのですが。

実際は、日本にいる蝉は長くて4~5年で、成虫の寿命は2~3週間だそうです。まだまだ、その生態には謎が多いそうです。謎だからいろいろな想像ができるのかもしれませんね。


3、松尾芭蕉の俳句が有名

「閑(しずけ)さや 岩にしみ入る 蝉の声」

あたりが静まり返っているのを、蝉の声がその静けさを一層引き立たせる。
「岩にしみ入る」だけで音の表現ができるのですね。

本当に暑いとき、分厚い個体の中にもその音が入ってくるような感覚がありますよね。

その視点と表現方法がとても思いつきません。

国語のテストにも出るこの俳句の印象が強すぎて、後世の人々にも「蝉の声が夏はよく聞こえるんだよ」というイメージを刷り込んだのではないかと思っています。


日本人の感性

素朴な疑問の理由を考えてみました。

強烈に夏をアピールする蝉。それだけ日本人の季節感に馴染みが深い生き物なのですね。

私たち、日本人独特の感覚もあるそうです。「自然に親しみ、自然を愛する」日本人の自然観。

日本人だと蝉が鳴いているなと思うのですが、外国人からするとただの騒音と感じる方々も。実際、外国の方が「え、せみ?noisy」と言ったのには驚きました。騒音と思う話は本当だったんだと。

日本人独特の自然観をつないでいると考えると、松尾芭蕉の功績は大きいですね。私たちの「蝉が鳴いてるね」という会話も、日本人の自然観をつないでいっているのでは。

そう思うと、蝉の声を聞く楽しみが増えそうです。

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