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より芸術鑑賞を楽しむ方法を実感した話
音楽を鑑賞するとき、その楽曲を調べてから聞いていますか。それとも、何の情報もない状態で聞きますか。
その楽曲の型・背景・テーマを学んだり考えてから聞くと、受け取り方がかなり違います。
耳への浸透力が変わるのです。
今回変わった演奏会を体験したので、その体験から学んだことを書きたいと思います。
楽曲は、ブラームスのヴァイオリン・ソナタ第1番、通称「雨の歌」。
楽曲を通して聞く前に、雨の音として使われているメロディー・リズムを体感しました。速くたたくような雨や、ゆったりと落ちる雨の2パターンの型を学び、モチーフに使われているメロディーを教えて頂きました。
次に、雨からイメージする思い出・感情・匂い・音を、自分なりに書き出しました。正解は一つではなくどれも正解。でも、雨のイメージって何だろうと振り返ることで、想像力のスイッチを押された感触がありました。
さらに、この曲の背景。ブラームスは師匠であるシューマンの妻クララに、片思いをしていました。その思いがこの曲の背景に隠されているお話を聞きました。
例えば、今回の「雨の歌」を教えて頂いたものにはめて聞いてみます。
型 → 探すように聞く(教えて頂いた雨の音2パターン)
背景 → 思いを馳せるように聞く(片思いの背景)
テーマ → 想像するかのように聞く(雨のイメージ)
これらを時間を取ってゆっくり咀嚼してから、楽曲を通して聞くとどうなるのか。
以前、私はこの楽曲を聞いたことがあるのですが、その時と曲の受け止め方に大きな感覚の違いがありました。
自分の中により音が入り込んでくる感覚なのでしょうか。
演奏者の言葉を借りると、「耳が開く」感覚、「解像度が上がる」感覚というのでしょうか。
耳への浸透力が大きく違うということがわかりました。聞くことに集中するし、染み渡るように音楽が入ってきます。
きっとこれは他の芸術でも同じではないでしょうか。
建築、絵画、工芸でも、味わう前に型・背景・テーマを考えると、より深い感動が味わえると思います。
一度鑑賞したものも、また別の角度で楽しめるのではないでしょうか。
ぜひお試しください。
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