Buen Camino! 『決意』

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2023.4.19-30 のCamino ポルトガルルート（Vigo起点）についての記事をまとめています。
スペイン語が話せない私の、気ままな一人珍道中。Camino Familyとの出会いと経験で自分の人生を見つめ直すお話です。

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カミーノに行くことにした。

会社を退職し、さてこれから新しい人生に取り組もうとする時だ。

なんともない違和感に苛まれた。

「なんとなくうまくいきそう」
でも何か忘れ物をしている感覚がある。
「いやいや気のせい」だと押し殺して前を向く。

ある時、元同僚とのたわいもない会話の中で
「今状況を、受け止めきれている？」
と問われてハッとする。

新しい次の世界のまだ見えぬ先を向くことばかりに気が取られ、自分の今を見つめきれていただろうか？

少し自分を置いてけぼりにしている気がした。

それでも毎日は刻々と過ぎる。

次第に活動を始めた手がぴたっととまる。
腰が重くなる。
なんだか重い違和感。
「私がやりたいことは本当にやりたい事なのだろうか…」
と、不安に駆られ始める。

『トランジション』のタイトルが目に留まる。
一気に読み終えて少し納得したのは、
変容を遂げる途中に起こりうる不安。
これまでの惰性の関係性を断ち切り起こるもの。

人によってその期間はわからない。でもそのフェーズは大切だという事。

これなのかもしれない。
次に向かう大きなトランジションへの道筋なのかもしれない。と思うと気が晴れる。

そう思っても違和感は違和感。

怠け癖かな？！

答えのない中模索するとまた新しい様々なインプットがやってくる。どんどんやってくる。全てをまとめるとバラバラのインプット…。これは迷いの中の私が求めているのかもしれない。

完全に迷子になった。

やりたい事が多くて悩むのか、基本的に不真面目なのかわからない。

取り敢えず、動きを止めた。
私を見つめ直すために。そう決意した。

3/27  悩んでいる最中、決意を促す二つの会議があった。
一つはオンライン。
「旅に出てもいいかもしれないねー。」という何気ない一言。

もう一つはリアル。
「行きたかった旅があるなら行った方がいいんじゃない？後で行けたのに…と後悔しないためにも」　

この二つの言葉で、
「旅に出よう！」と決意する。

カミーノ自体はキリスト教家庭に育ったため、昔から知っていた。「いつか行きたい！」と思ったのは、20年前、NHKのBSの番組で、フランスの高校生が600kmを夏休みに旅をするというプログラムに同行した番組を見てのことだった。

友情が芽生え、土地の方との接点の中で徐々に成長してゆく。ゴールでは誰もが感動の涙。達成感に感極まっていた。
ちょっと不良っぽい男子が仲間を助け、化粧ばかりをしていた女子が自然に戻る。誰もが素の自分と出会う旅。最後に、昔アルペルゲだった超高級ホテルの食事が、紹介された。限定数名にしか出されない、巡礼の道のゴール地点としての巡礼者への振る舞いを現在もも続けているというものだった。

「食べたい」

これも私のこのカミーノの旅のモチベーションとなった。

20年前のその番組を見て以来、「いつかは行きたい！」とずっといいふらかしてきた。

確かに自分を見つめ直すタイミングにはいい時期だ。「行こう！」
と決意に促され、ネットでいろいろ探すと、私の予定とは合わないツアーだらけ。

「一人で行けるかな？」
と探し始めた。
行けそうな気がしてきた。飛行機も今ならまだ比較的安値で買える！
「行くか！」

でもまだ飛行機の予約までは進めない。
「でもさ、次のツアーがあるタイミングまで待ってもいいよね…」という声も聞こえてきた。

３／29  翌朝朝５時、目が覚める。
家族で世界をキャンピングカーで一周旅をしているカズさんのTwitter投稿が目に留まる。

【2％】この映像を見て

・カッパドキアに行きたくなった人🙋‍♂️
・熱気球に乗りたくなった人🙋‍♀️

が1万人くらいいたとして…いったい何人の人が実行するだろう？

熱気球に限らず『やりたい❗️』と思ったことを実践する割合ってだいたい近い数字になる【俗に2％】と言われている。

実践する2%の人になろう‼️

この投稿を見て、実行に移すべきと確信に変わった。
2%になろうと。

なぜか不思議と違和感はない。
ずっと行きたかったのだ。いつも「いつかは絶対に行く」という前向きな言い訳をしていたことに気づく。

一昨日からぶつぶつ相談していた家族に承諾を得る。
「本当に行きますがいいですか？」
「いいですよ。でも安全に行ってください。途中危険ならギブアップして帰ることと必ず帰宅すること」

「一緒に行かない？」とやっぱり誘う。不安なのだと自分でわかる。

「今回は一緒には行けない。でも頑張って」

すぐに飛行機を予約。
もう後には引けない…いや、引かない。

その日から毎日10km-20kmウォーキングを始めた。
旅立ちまで、３週間前のことである。