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Buen Camino! 『Day2: スタートポイントVigoへ』



2023.4.19-30 のCamino ポルトガルルート(Vigo起点)についての記事をまとめています。
スペイン語が話せない私の、気ままな一人珍道中。Camino Familyとの出会いと経験で自分の人生を見つめ直すお話です。


Day2

昨晩深夜に到着した、ポルト空港側のホテルで朝食をいただく。

ハムとチーズが美味しすぎる

ホテルをチェックアウトして、空港行き無料シャトルバスに乗り込む。
バスの中で、「いい靴だね、これいいよね、僕の靴も同じだよ!」と話しかけてきたおじさんはカヤックのスポーツ用品を取り扱う会社の【Fun of Director】の方。「僕の肩書き、硬すぎるでしょう」と笑いながら名刺をくれた。

「日本から一人で⁈」と何度も何度も聞かれ、「そーなの。本当はね、スペイン初めてだから様子がわからなくて。心配だからツアーに参加したかったんだけど、日程合わなくて…」と伝える。「友達もよくやってるけど、友達グループでというのが多いね。でも、きっと鍛えた体してるから一人でも大丈夫だね!」と言われた。
その道のプロに言われるとなんとなく嬉しい。

予約しておいたバスの乗り場は、昨日のシャトルバスの乗り場と同じらしい。

次から次へと到着する、予約しておいたバス会社のバスの運転手さんに聞くと、「違う違う」という…と、いうより、ゼスチャーでそう言っていると理解した。

英語で聞いても、相手に伝わらない。Google翻訳を使う間もなく、慌ただしく「違う」というジェスチャー。違うバス会社のバスだと言ってるようだ…。

「でも、チケットに印刷されているのはこの会社のだよ」と英語とジェスチャーで一生懸命伝えるも、「違う違う」と言っているようだ。何語かはわからないがポルトガル語だろう。
無理に引き止めても迷惑だろうから、不安だけど、「ありがとう」と伝えた。瞳が綺麗で人間味のありそうなおじさんの人となりを信じることにする。

次に到着するバスにも同じく聞いてみた。この運転手さんはかなり迷惑そうに、「このバスは行き先が違う」と言っているらしい…。

そんなこんなで到着するバス全てに同じやりとりをすることにした。
何度めか後、明らかにロゴが違う会社のバス運転手さんにチケットを見せながら聞くと、「そうだ」と言っているようだ。

「私バスに乗るよ」に、「うんうん、でもリュックは下の貨物として入れてね…」と私のリュックを指してジェスチャーするので、「私リュックを下に置いて戻ってくるね…」とゼスチャーで伝えて、置いていかれないようにする。

かなりハラハラしたけど無事にバスに乗れてよかった。バスの途中停車駅に『Vigo』とあるから、降り間違いさえしなければ到着できるだろう。

それにしてもバスが綺麗だ。ボロボロのバスに乗ると勝手に想像していたから、こんな最新型の大型バスになのだと驚き、そしてとても安心する。

バスからの流れる景色を見ても異国に来た気がしない。むしろ落ち着く。なんだろうこの和む気持ちは…。
前世があるとすれば、この辺の人だったかもしれない。いやもしかして地元のお隣山口県のオレンジ色の屋根に見慣れているから気持ちが和むのかもしれない…なんて思いながら、2時間ほどして目的地に到着する。

Vigoへ

立派でクールな作りのVigoのバスターミナルに到着。ずっと運転手さんの真後ろの席に座っていたのでバスの運転手さんの運転技術の高さに驚いていたが、Vigoのバス停留所に停める技には一層驚いた。ぐるっと180度Uターンをするようにハンドルを切り迷うことなくピッタリに停留スペースに綺麗に停める。

Vigo に到着

バスを降りて、さあホテルまでが次の課題。
13キロのリュックを背負ってホテルまで歩く。地図上では高低差はわからないが、港町らしくアップダウンが激しい。

右も左もわからないので、Google先生のナビゲーションを初めて利用する。港方向にぐんと下がって、そして曲がって坂道を上るとホテルが見えた。どの坂も急。角を曲がる度に、急に降って急に登る。そんな感じだ。

到着したホテルでチェックインして荷物を置き、街を歩き回る。

カミーノで訪れたら一泊ここで観光のために延泊することを薦める記載が多い、Vigoの町。

私が出会いたかった、勝手に命名した『タコおじさん』に会いに行く。Vigoで一番出会いたかったおじさんだ。

嬉しいのでツーショット❤️

さて、街をうろうろする。ついでにカミーノの道を示す黄色の矢印を探そうとするも、その道らしきところには黄色の矢印が見つからない。しばらくその道を歩いても見つからない…。

「Camino ポルトガルルートを歩きますが、何かアドバイスはありますか?」と、ネットで知り合った先駆者の方に質問をしたら、「Vigoの街からCaminoルートに出るまでの道を前日にチェックしておく方が安心です」と教えてもらえた。
確かにfacebookグループのポルトガルルートのコメントで、数人の海外の方が「VigoからCaminoルートはどうやっていくの?教えて。」という投稿質問をしていた。ありそうなところをしばらく歩き回っても、どこにも黄色の矢印が見当たらない。

諦めて、一息つくことにする。

この辺がいいかな?と港に面したガリシア料理を出すらしいおしゃれなレストランに入る。もちろん英語は通じない。

英語メニューがあるよ!と持ってきてくれた英語メニューにもスペイン語が豊富で、スペイン語ゼロの私には難しい。
ここでGoogle翻訳の登場。
そしてウエイターへジェスチャーであれこれ聞く。

昔、同じく海外で、メニューの内容を聞いているうちに、全てオーダーされて痛い目にあった経験があるので、しっかりとオーダー内容をダブルチェックする。

チーズの盛り合わせ(小)と白ワイン。二つだと伝える。英語とゼスチャーで伝える。「Si(わかった)」と返事をされて、出てきたのはしっかり大きなチーズボード。

「しまった…『small size』と一生懸命伝えたけれど、大が来てしまったようだ、しょうがない」
と覚悟を決めて、ガリシア地方の美味しいチーズに感動した。あまりに美味しいので、「残ったら持ち帰えればいいや」なんて思っていたのに、あまりの美味しさに食が進む。

どれもこれも美味しい。しょっぱすぎなくてさらにいい🎵大満足だ。

さらに、パンがどうしたらいいのかわからないほど美味しい❤️

結局美味しく完食した。

Googleマップのお気に入りにしようと思ったが、お店が存在していないので、マークはやめて置いた。

支払いで、中に入ると、いかにも美味しいお料理を作りそうなおじさんがお肉をスライスしていた。
そして気になるチーズボードはちゃんと小サイズ。そしてワインは3.5ユーロ!安い!

今度Vigoによったらまたここにこようと思う。

感動のチーズボード(小)と白ワイン

Vigo 美術館は夕方5時から夜9時まで開いているとのこと聞いたので、立ち寄ることにする。

入り口で受付の方からスペイン語訛りの英語で「入場料無料よ」と展示室を教えてもらう。
ガリシアの画家、ラシーロ(Laxeiro)の作品が所狭しと展示されていた。独特の丸い顔立ちと仮面の被ったお祭りの様子が多い作品。

合気道をこよなく愛しているという警備員の方に英語でいろいろ教えてもらった。
「丸顔でどれも日本人みたいね、でも目がちょっと大きいすぎるかしら」と伝えると、「本当だね!僕も200年以上まえの祖先に一人だけ日本人がいて、日本の血が入っているんだ、だからちょっと日本人っぽくない?でもね、目はクリクリなんだ」と言われて、なるほどちょっと日本人にいなくもない顔立ちと笑う。

作品のポイントを警備員の方に教えてもらい、理解が深まった。

美術館を出て、街中を歩く。どこも立派な銅像やスペインらしい自由なアートがあちこちにあり、とにかく楽しい。観光客が少ないからか、こんなにも写真を撮っているのは私だけのよう。みんなリラックスした表情でゆっくり街を歩いている。

降って上がって降って上がって…。港町らしい地形を愉しむ。

一旦ホテルに戻り、ホテル近くの教会へ礼拝をしに行く。

神父様は当然スペイン語なので、何を話しているかはわからないが、復唱すればいい言葉は復唱はできる。昔からこの方法でスペイン語が世界に普及したのかもしれない。そう思いながら、復唱する。なんだか唱えるだけでわかったような気になるから不思議だ。

礼拝後、ピグリムパスポートが欲しいと伝えたいがなんと伝えれば良いかわからないので、「サンティアゴデコンポステーラ」とだけ言い、歩くゼスチャーをする。すると、「こっちだよ」と祭壇脇の小室へ連れて行ってもらえた。そこでピグリムパスポートを購入しスタンプを押してもらう。「ホタテ貝もありますか?」と英語で聞くけど伝わらない。ピグリムパスポートのホタテ貝ロゴを指して伝えると。一人の神父様はないといい、もう一人はあるという。あると言った神父さんが「ない」と言った親父さんへ「一個だけあるんだよ…」とかなんとかいいつつ引き出しの奥からザラ紙に包んだそれを渡してくれる。「お金は?」とお財布を指すと「いらないいらない、頑張っておいで!」と言っているかのように二人から笑顔で送り出してもらう。何度も丁寧にお辞儀をすると「大丈夫❤️」と満面の笑みを投げかけてくれる。

なんと思い出深いことだろうと思いながら、ホテルに帰る。夜8時半はまだまだ明るい。

夜8時半

明日の旅路の支度を整えて、幸せな気持ちのまま就寝。

ふと気がかりなのは黄色の矢印を見つけられなかったこと。でも、まあ、どうにかなるだろうと。

一人で悩んでもしょうがない。とにかく体力が大事。寝よう寝ようと眠りにつく。

翌朝からいよいよCaminoを歩き始めます。
この時は、スタートがどこからかはわかっていないけれど。

※おまけストーリー1
私の直感があっているかどうかわからないが、ホタテ貝があると言った神父さん「〇〇さんがね試しに手作りで作ってくれたやつが一つだけあるんだよ」と言っていたように聞こえたけれど、違うかな?誰かに確認する術もないがそう聞こえた。

※おまけストーリー2
ホテルにチェックインして洗濯物をすぐにした。
洗面台に水を貯めて、洗ったのち流そうとするが、水が流れない…。
フロントへ連絡するとスペイン語。英語が通じないため、ウォーターウォーターと何度も行ってようやく部屋に女性が来る。
部屋に来た女性にジェスチャーで水が流れないの…と一生懸命伝えると、「えっ、ほんとに流れないの?」と聞かれ、「そう」と、困った顔で伝える。「ダメだった?」と言いながらする彼女の操作で一気に水が流れる。
仕様が日本と違ってわからなかった。
その女性は大きな朗らかな笑顔と笑い声で「私の魔法よ!」というジェスチャーをする。
私はその人柄に癒され感動した。

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